紙面から

卓球・福原 3位決定戦へ 準決勝ストレート負け

女子シングルス準決勝中国の李暁霞と対戦する福原愛=佐藤哲紀撮影

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 女子シングルス準決勝が行われ、4大会連続出場で初めて4強入りした福原愛(ANA)は2連覇を狙う李暁霞(中国)に0−4で敗れ、10日午後8時半(日本時間11日午前8時半)からの3位決定戦に回った。3回戦で石川佳純(全農)を破ったキム・ソンイ(北朝鮮)と対戦し、個人種目で日本勢初のメダル獲得を目指す。

 9日の男子シングルス準々決勝で3大会連続出場の第4シード、水谷隼(ビーコン・ラボ)がフレイタス(ポルトガル)を4−2で下し、日本男子初の準決勝進出。11日に昨年の世界選手権王者で第1シードの馬龍(中国)と顔を合わせる。

 丹羽孝希(明大)はロンドン五輪王者の張継科(中国)に1−4で逆転負けした。 (共同)

◆24分「実力の差」

 試合後の福原はサバサバしていた。「今の試合は自分のミスではなく、実力の差。やるべきことをすべてやった」。0−4の完敗。試合時間はわずか24分だった。

 ゲーム開始直後、福原の強打がきれいに決まり、1ポイント先取した。勢いに乗るかと思われたが、李暁霞の顔つきが変わった。ここから9ポイント連続失点。過去の対戦成績は1勝9敗で、これが11度目の対戦だった。「パワーや回転、今まで対戦した誰よりも重いボールだった。もしかしたら(戦った中で)今日が一番強かったかもしれない」。やはり五輪の中国勢は本気度が違う。

 試合が終わると、すぐに気持ちを切り替えた。10時間後には3位決定戦が待っている。「今はもう次の試合のことを考えている。悔しいと思っている時間がない」。ミスを連発して負けたわけではない。引きずる敗戦ではなく、むしろ切り替えやすい。前戦までは3試合連続のストレート勝ち。「ロンドン五輪からの4年間ではあまりこういう感覚はなかった」という好調に変わりはない。

 日本人初となるシングルスのメダル獲得へ、周囲の期待は高まる。そんな喧騒(けんそう)をよそに福原自身は冷静そのもの。「何も意識することなく、目の前の1球1球を考えたい」。その先にはメダルが待っている。(森合正範)

 

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