紙面から

卓球男子・水谷3位決定戦へ

中国の馬龍に善戦した水谷=リオデジャネイロで(共同)

写真

 水谷が強打したボールがネットに当たり、敗戦が決まると天を仰いだ。2−4で敗れ、決勝進出はならなかったが、その表情には充実感が漂う。「甘いボールが来たら一発で決めてやるんだという強い気持ちになれた。力を出し切れたと思う。次に向けて自信になる」。メダルへの確かな手応えをつかんだ。

 3ゲームを奪われ、後がない第4ゲーム。表情が和らいだ。「相手もすごく緊張しているのが分かった。五輪では同じなんだな、と思ったら僕は吹っ切れた」。少しずつ強気のプレーに切り替わっていく。以降は互角の戦い。長いラリーになると、果敢に攻める姿勢に会場から「ジャポンコール」が湧き起こるほどだった。

 世界ランキング1位、馬龍との過去の対戦成績は12戦全敗。「試合の途中で『勝てるかも』と思ったのは初めて」。2ゲームを奪ったのは、3度目の対戦だった2009年10月以来。男子の倉嶋監督は「こういうプレーをすれば中国に勝てると感触をつかんだ」と収穫を口にする。

 3位決定戦では40歳のベテラン、サムソノフと対戦する。「実力的には僕の方が上。力を出せば勝てる」と力強い。「今まで五輪に出た日本選手の分も背負って戦う。負けたのに、もう1回チャンスがある。やるしかない」。卓球日本男子初のメダルは手の届くところまできている。 (リオデジャネイロ・森合正範)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。