紙面から

男子20キロ競歩・松永7位 日本勢初入賞、歴史に足跡

男子20キロ競歩で7位入賞の松永大介(中央)=隈崎稔樹撮影

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 男子20キロ競歩は松永大介(東洋大)が1時間20分22秒で7位に入り、この種目の日本勢初の入賞を果たした。藤沢勇(ALSOK)は21位、高橋英輝(富士通)は42位。王鎮が1時間19分14秒で、中国勢として2大会連続で優勝した。

 400メートル予選で4組のウォルシュ・ジュリアン(東洋大)は46秒37の6着、7組の金丸祐三(大塚製薬)は48秒38の8着で共に敗退した。

 女子は砲丸投げでカーター(米国)が20メートル63で初優勝した。100メートルで3連覇を目指すフレーザープライス(ジャマイカ)は予選で全体トップの10秒96を記録して準決勝に進出した。 (共同)

◆残り2キロ粘り、東京へ収穫

 競歩日本代表の最年少、21歳が歴史に名を刻んだ。松永が20キロ競歩で日本人初入賞。スタート直後から積極的に歩き、7位でゴール。「メダルを狙っていたので悔しい。でも(20キロ)競歩で入賞第1号になれたのは光栄だし、誇りに思う」と声を弾ませた。

 初の五輪を楽しんだ。レース前からワクワクしていた。「テンションが上がり過ぎて、思わず前に出てしまった」と照れ笑い。スタートから先頭集団の前を歩き、「ああいうことはなかなかできない経験。気持ち良かった」と晴れやかだった。

 11キロすぎに警告を受けたが、スピードは落ちない。先頭集団では13キロ付近から駆け引きが始まった。中国勢の仕掛けに少しずつふるい落とされていく。「これがトップレベルかと思った。自分は耐えるのが精いっぱいだった」と世界を味わった。

 しかし、ここで粘れるのが松永の強さだ。残り2キロは6位から8位の入賞圏内を行ったり来たり。「最低でも入賞と思っていた。しっかり耐えられてよかった」

 神奈川・横浜高1年のとき、自ら希望して競歩を始めた。2014年の世界ジュニア選手権1万メートルで金メダル。昨年のユニバーシアードは銅メダルを獲得した。着実に歩を進め、五輪へとたどり着いた。

 「トップとの差を感じたけど、この舞台を経験できた。しかも入賞できたことは大きな収穫です」。2020年東京五輪までに世界との差を埋めていく。 (森合正範)

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