紙面から

躍進競泳、東京へ弾み 平井コーチが総括

競泳の全日程を終えた会場で、「TOKYO2020」の文字を作る(左から)鈴木聡美、金藤理絵、山口美咲、松本弥生、高橋美帆、清水咲子、星奈津美=リオデジャネイロで(今泉慶太撮影)

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 競泳は金2、銀2、銅3の計メダル7で全日程を終えた。代表を率いる平井伯昌コーチは金をロンドン五輪の0から萩野と金藤の2に増やした今大会を「大躍進したと思う」と総括した。

 個人種目は4年後の東京五輪へ向け高校1年生の池江璃花子(ルネサンス亀戸)や今井月(愛知・豊川高)らが大舞台の経験を積んだことを喜びながら、池江と同い年の16歳、カナダのペニー・オレクシアクが女子100メートル自由形で金、同バタフライで銀を取った事実に「楽観できない。東京五輪で簡単にメダルが取れるかというと、そんなものではないと思いながら、次の4年間の強化を続けていきたい」と気を引き締めた。

 男子400メートルメドレーリレー決勝で予選3位だった日本は5位と不発。男女合わせれば、シドニー五輪から4大会続いた同種目でのメダル獲得が途絶えた。一方、男子800メートルリレーで52年ぶりのメダル獲得に「東京五輪で金メダルを狙う目標も立てられた」と手応えを口にした。

 昨年の世界選手権優勝者を五輪代表に内定。早すぎる内定で重圧を感じ、モチベーションを保つのが難しいという声も聞こえた。そのうち瀬戸大也(JSS毛呂山)と星奈津美(ミズノ)は銅メダルを獲得したが、渡部香生子(JSS立石)は決勝に進めなかったことに「果たして正しかったのか議論していくことでもあるし、持ち帰って水連で吟味したい」と語った。

 今大会、メダル獲得などの好結果と予選、準決勝敗退の両極化が目立ったことを反省。一発勝負の選考会を突破した達成感が、その後の不調につながったのではないかと分析した。東京五輪へ向け「そのまま一発選考で行きたいが、東京五輪はホームなので」と、私案としながら代表選考方法の見直しの必要性にも言及した。(リオデジャネイロ・高橋隆太郎)

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