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卓球 日本女子3位決定戦へ 独に惜敗 福原「私の責任」

日本−ドイツ第3試合でプレーする福原(左)、伊藤組=佐藤哲紀撮影

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 団体が行われ、女子で2012年ロンドン五輪銀メダルの日本は準決勝でドイツに2−3で敗れ、3位決定戦に回った。もう一つの準決勝の中国−シンガポールの敗者と16日に対戦する。男子で日本は準々決勝で香港を3−1で下した。15日の準決勝でドイツと顔を合わせる。

 女子は第1、第3試合を落とし、石川佳純(全農)がシングルスの第2、第4試合に勝ったが、2−2で迎えた最終第5試合で福原愛(ANA)がカット主戦型のハンに屈した。

 男子は丹羽孝希(明大)が敗れたが、その後はシングルスの水谷隼(ビーコン・ラボ)、ダブルスの丹羽、吉村真晴(名古屋ダイハツ)組、シングルスの吉村が3連勝した。 (共同)

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 第5試合の最終第5ゲームで、福原が9−10とリードされて迎えたドイツのマッチポイント。ハンの返した球は台の端に当たるエッジボール。日本は当たったのは台の側面ではないかと主張したが受け入れられなかった。

 「ダブルスとシングルスの両方を落として、負けの原因は全て私にある。一球一球どんなボールでも食らいつく気持ちでプレーしたが」。最終ゲームを9−7とリードしながら逆転負けを喫し、福原が責任を背負い込んだ。

 第1試合、伊藤が相手エースのソルヤと最終ゲームまでもつれた末に落とす重苦しい幕開け。続く石川は0−2からの大逆転で窮地を乗り切ったが、チームは流れに乗りきれない。第3試合の福原と伊藤のダブルスが惜敗。石川が第4試合をストレート勝ちして踏ん張ったが、あと一歩及ばなかった。

 ロンドン五輪団体銀メダルのメンバーから福原と石川が残り、新たに台頭した15歳の伊藤を加えた3人。故障や体調不良を乗り越えた福原は主将としてチームをまとめ、エースに成長した石川は常に勝利への執念を見せた。最年少の伊藤は大舞台でも物おじせず、村上恭和監督は「過去最高の力で臨める」と手応えをつかんでのリオ五輪だった。

 ロンドン五輪からの4年間、大半の時期で、日本女子は団体の世界ランキング2位を維持してきた。一方で、村上監督は中国から国籍を変更した選手が増えたとして、「海外勢の平均的なレベルが上がっている」と警戒していた。ドイツの2人も中国から国籍変えた選手だった。

 敗戦直後はぼうぜんと立ち尽くしていた福原だったが、「悔しさを全てぶつけたい」。最後は前を見据えて言い切った。

  (井上仁)

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