卓球 日本「Wメダル」へ挑む
日本−ドイツ 第3試合でポイントを奪われうなだれる伊藤。後方は福原=佐藤哲紀撮影 |
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団体が行われ、2012年ロンドン五輪銀メダルの日本女子は準決勝でドイツに2−3で敗れ、3位決定戦に回った。準決勝で中国に敗れたシンガポールと16日に銅メダルをかけて対戦する。日本男子は準々決勝で香港を3−1で下し、準決勝でドイツと対戦。
日本女子は石川佳純(全農)がシングルスの第2、第4試合に勝ったが、2−2で迎えた最終試合のシングルスで福原愛(ANA)が屈した。
日本男子は0−1からシングルスの水谷隼(ビーコン・ラボ)、ダブルスの丹羽孝希(明大)吉村真晴(名古屋ダイハツ)組、シングルスの吉村が3連勝した。 (共同)
◆女子、銅へ気持ち切り替え
前日の準々決勝の後、女子の村上恭和監督は「次は大接戦になる」と話していた。ドイツとの準決勝は、予想通りの激しい試合となった。ただ、負けることまでは想定外。2大会連続の決勝進出を逃し、村上監督は「勝負の神様が逃げていったというか。やれることはやったが」と渋い表情で語った。
石川がストレート勝ちした第4試合をのぞき、いずれも最終ゲームまでもつれた。第1試合は、伊藤が相手エースを最終ゲームで9−3まで追い詰めながら、勝ち急いでミスを連発。逆転負けを喫して流れを失った。
伊藤は福原と組んだダブルスでも精彩を欠き、「私の責任」と目を潤ませた。福原も最終第5試合を落とし、「今日の負けの原因はすべて私にある」。しかも、最後は相手の返球が台の角に当たり、不規則に跳ねる不運なエッジボールとあってショックの大きい敗戦となった。
この4年間、日本女子は大半の時期で団体の世界ランキング2位を維持した。一方で、村上監督は各国に中国から国籍取得選手が増えているとして、「全体の平均レベルを上げている」と警戒していた。ドイツにも中国から国籍を変更した選手が2人。「中国を苦しめよう」を合言葉に準備してきたが、本家と当たる前に道は断たれた。
ロンドン五輪の銀メダルには届かなかったが、まだ3位決定戦がある。シングルスで2勝と意地を見せた石川は、「挑戦者として向かっていけたら結果はついてくる」と気持ちの切り替えを強調する。伊藤も「強気で、3人の力を合わせて頑張りたい」と必死に顔を上げた。 (井上仁)