バドミントン女子単 奥原、山口が4強かけ対決へ 若き才能が激突
女子シングルス1回戦韓国選手に勝ち、準々決勝進出を決めた奥原希望=内山田正夫撮影 |
![]() |
女子シングルス決勝トーナメント1回戦などが行われ、第6シードの奥原希望(日本ユニシス)がペ・ヨンジュ(韓国)を2−0で退け、山口茜(再春館製薬所)が第4シードのラチャノック(タイ)を2−0で破った。奥原と山口は16日の準々決勝で直接対決することになり、同種目で日本勢初の4強入りが決まった。
女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)は準々決勝を勝って4強入りを決め、16日の準決勝で鄭径恩、シン・スンチャン組(韓国)と戦う。男子ダブルスの早川賢一、遠藤大由組(日本ユニシス)は準々決勝で敗退した。 (共同)
◇
ほぼ同時刻に試合が始まり、先に終えたのはメダル候補の奥原。自ら「完璧。このパフォーマンスが決勝で出せたら良かった」と言うほど圧巻の内容で、世界ランキング17位の韓国選手を全く寄せ付けなかった。
豊富な運動量で相手のショットを拾い、なおかつ巧みに厳しいところへ返す。相手が体勢を崩して甘いコースに返ってくれば、あとは仕留めるだけだ。いつも以上にスマッシュが決まったのは、理想のラリーができていた証拠。21歳は「攻めれる時に攻めるのが今年のテーマ。バランス良くできた」と自賛した。
優勝候補のタイ選手に競り勝ったのは山口だ。スマッシュに威力があるとみるや、相手のチャンスになりやすい高く打ち上げることをやめ、低く短いサービスに変更。先手を封じ、逆に自ら速い攻撃を仕掛けて主導権を握った。
過去4勝5敗、最近は2連敗中と相性が良くなかったが、「向かっていくだけだと思っていたので、どんどん積極的に行けた」と良い意味での開き直りも奏功した。今大会3試合目でようやく楽しめたといい、19歳のホープは「満足度は85点くらい」と頬を緩めた。
普段の遠征と同じく、リオの選手村でも同部屋の2人。決戦を前に緊迫した空気になるのかと思いきや、「いつものことです」と山口。奥原も「私は部屋でドラマの動画を見ているし、茜ちゃんはリビングでゲームしている」と気負いはないようだ。
これまで国際大会で5戦全勝と山口を圧倒している奥原は、「変わらず自分のプレーをするのが一番」と風格すら感じさせる。一方の山口は「後悔しないようにやれれば。対策はこれから考えます」と意気込んだ。
どちらが勝っても、五輪のこの種目では日本人選手として初の4強入り。日本が誇る二つの若き才能が、最高の舞台で相まみえる。 (井上仁)