紙面から

バドミントン女子シングルス 準々決勝で奥原、山口が対決 

 女子シングルスの準々決勝で、日本人選手同士の対戦が決まった。21歳の奥原と19歳の山口。どちらが勝っても、4強入りすればこの種目の日本人選手として初の快挙になる。決勝トーナメント1回戦は両者ともストレート勝ち。奥原は攻守ともに「けっこう完璧」と自賛する内容で韓国選手を圧倒し、山口は格上のタイの選手に速い攻撃を仕掛けて競り勝った。

 性格もプレースタイルも対照的な2人。「自分がエース」と公言する奥原は、フットワークと抜群のスタミナが強みで、相手が根負けするまでラリーを続ける粘りが身上。山口は「バドミントンを楽しむこと」を何より重視し、ショットの精度と種類の豊富さ、予想外の攻撃を展開するトリッキーさが持ち味だ。

 ともに1次リーグでは硬さが見えたが、この日は見違えるような動きでコートの中を走り回った。「これまで負けられないプレッシャーがあってぎこちなかったけど、決勝トーナメントは誰が勝ってもおかしくない。逆に力を抜いて臨めている」と奥原。山口も「できるだけたくさん試合ができれば、自分の五輪もより楽しくなると思う」と自然体を取り戻しつつある。

 2人の直接対決の成績は奥原が圧勝。国際大会では過去5戦全勝だ。奥原が「それぞれいろいろな人の思いを背負っている。ベストパフォーマンスを出せればいい」と呼び掛ければ、山口は「一度も勝ったことがないし、楽しく、後悔しないようにやれれば」と胸を借りるつもりで挑む。

 大舞台で日本バドミントン界が誇る2人の対決が実現し、日本代表の朴柱奉監督も「私的にはハッピー。しっかり準備して、両者頑張ってくれたらいい」と興奮気味に話した。 (井上仁)

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