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バスケットボール 日本女子、準々決勝で米国の壁 64−110で完敗

日本−米国 第3クオーター、米国選手と競り合う渡嘉敷(左)=隈崎稔樹撮影

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 女子の準々決勝で世界ランキング16位の日本は、同1位で5連覇中の米国に64−110で完敗し、4強進出はならなかった。準決勝は米国−フランス、セルビア−スペインの対戦となった。

 日本は渡嘉敷(シアトル・ストーム)を中心に、平均身長で11センチ上回る米国に食い下がった。素早いパス回しから栗原(トヨタ自動車)が前半だけで3点シュートを4本決めるなど第2クオーター終盤で46−48。しかし、残り約1分から連続得点を許して46−56で折り返すと、後半は力の差を見せつけられた。米国は19点のトーラジら7人が2桁得点した。

 セルビアは前回「銅」のオーストラリアに73−71、スペインはトルコに64−62で競り勝った。前回「銀」のフランスは68−63でカナダを破った。 (共同)

 終わってみれば110失点。日本は五輪6連覇を狙う強豪の大波にさらわれてリオを去ることになった。それでも、世界に対抗するために磨いてきた持ち味がきらめきを放った瞬間が確かにあった。

 「小さいチームでも戦えることを少しでも証明できた」と主将の吉田。10点差をつけられた第2クオーター残り3分、栗原と吉田が立て続けに3点シュートを決めると、勝負に興味を失いかけた観客がにわかに盛り上がった。相手の意識が外角に行ったところで、切り込んだ本川のバウンズパスを渡嘉敷が決めて2点差に。高さで勝る相手を慌てさせた。

 対抗できたのはそこまで。数分間で再び10点差に広げられて折り返すと、後半はなすすべがなかった。「あれだけ決められたら試合にならない」と吉田。フィールドゴール成功率は日本の34%に対し、米国は65%。プロ選手ぞろいの相手は、体格だけでなくプレーの精度も段違いだった。

 それでも「われわれのスタイルがどこまで通用するか見えてきた」と内海知秀監督。2年前の世界選手権は1次リーグで全敗したチームが、五輪で20年ぶりに8強まで進んだ。世界ランキング2位のオーストラリアを追い詰めた試合もあり、吉田は「メダルが見えた瞬間があった」と言い切った。 (鈴木智行)

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