紙面から

陸上男子200m 飯塚、加速できず敗退

 スタートから順調に飛び出した飯塚はコーナーを曲がる90メートル付近で異変を感じた。「あれっ、伸びない」。いつもなら中盤から加速し、後半の爆発的な伸びにつなげる。しかし、トップスピードまで上がってこない。そのままゴールを駆け抜け、しゃがみ込んだ。

 タイムは平凡な20秒49で3組4着。まさかの予選敗退だった。「悔しい。もう少し(タイムを)出せたと思う。準決勝に行けなかったのは残念でならない」

 今季は好調をキープし、6月の日本選手権では日本歴代2位となる20秒11をマーク。日本勢3選手の中で最も期待されていた。「目標はファイナリスト」と公言し、リオへ乗り込んできた。「冷静にうまく走ろうとしすぎた。もっと燃えて走ればよかった」。必要以上に気持ちを落ち着けたことを悔やんだ。

 しかし、落ち込んでいる時間はない。18日から400メートルリレーがある。前回ロンドン五輪ではアンカーを任され4位(5位から繰り上げ)。メダルに届かなかった。今回は2走の予定だ。「前回も200メートルが駄目でリレーで頑張った」。悔しさを胸にしまい、気持ちを切り替えた。まだ雪辱の舞台は残されている。 (森合正範)

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