紙面から

陸上男子400m障害 野沢、決勝ならず 最後のハードルが壁に

男子400メートル障害準決勝、レースを終え悔しがる野沢啓佑=佐藤哲紀撮影

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 男子400メートル障害準決勝1組で野沢啓佑(ミズノ)は49秒20の6着に終わり、決勝進出を逃した。女子やり投げの海老原有希(スズキ浜松AC)は57メートル68、同走り幅跳びの甲斐好美(VOLVER)は5メートル87でともに予選敗退した。

 男子200メートル予選の日本勢は全て敗退。飯塚翔太(ミズノ)は20秒49の3組4着、藤光謙司(ゼンリン)は20秒86の5組6着、高瀬慧(富士通)は20秒71の9組6着だった。ボルト(ジャマイカ)は20秒28で準決勝に進んだ。

 女子1500メートルはキピエゴン(ケニア)が4分8秒92で制した。男子走り高跳びはドルーイン(カナダ)が2メートル38で優勝し、同110メートル障害はマクレオド(ジャマイカ)が13秒05で制覇した。

 女子円盤投げは前回覇者のペルコビッチ(クロアチア)が69メートル21で制した。 (共同)

 400メートル障害で日本人初の決勝進出の夢を乗せ、野沢が疾走した。序盤から飛ばす攻撃的なスタイルで、8台目までトップ。2番手で跳んだ最後の10台目。かかとがハードルに当たり、失速した。最後は歯を食いしばってゴールを駆け抜けた。49秒20で1組6着。決勝進出はならなかった。「正直悔しい。8台目を越えて苦しくなって、10台目では引っ掛かった。勝負のところで力を発揮できなかった」

 準決勝を走ったのは日本人は3人目。独特な雰囲気でも冷静でいられたという。予選で自己記録を0秒05更新する48秒62をマーク。「世界の壁は厚いと感じたけど、予選で自己ベストを出して、準決で本当の勝負ができた。それは収穫だと思う」

 山梨県南アルプス市の出身の25歳。中学時代、双子の弟と同じ野球部に入るのが「恥ずかしい」と陸上部に入部。110メートル障害に取り組んだ。山梨・巨摩高2年から400メートル障害に。最大の持ち味は左右どちらの足でもハードルを越えられることだ。

 「準決勝も自己ベストなら通っていた。世界では2本目(準決)で記録を出さないと勝負できない。今後はそれが課題になる」。悔しさと充実感。初の五輪は終わった。4年後へ向けて動きだす。 (森合正範)

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