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競歩・荒井3着ゴール、失格 終盤、他選手と接触

男子50キロ競歩3番目でゴールする荒井広宙=隈崎稔樹撮影

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 第15日の19日は、男子50キロ競歩で荒井広宙(自衛隊)が3着でゴールしたが、レース終盤に他選手との接触があり、失格となった。日本の五輪競歩史上初のメダル獲得はならなかった。

 昨年の世界選手権3位の谷井孝行(自衛隊)は14着、森岡紘一朗(富士通)は27着でゴールした。

 トート(スロバキア)が初優勝した。 (共同)

◆日本初メダル獲得ならず

 リオの暑さに負けず、歩を進めていった。荒井は上位集団で粘り、40キロ手前でのペースアップに食らい付いて3番手でフィニッシュ。激しいレースを終えると、ゴール付近に倒れ込んだ。

 長距離から自ら競歩の道を選んだ。本格的に始めたのは長野・中野実業高2年のとき。1学年上にはリオ五輪20キロ代表の藤沢勇がいた。全国高校総体で結果を残す先輩の後ろ姿を見て「かっこいい。ああなりたいと思った」。

 身長180センチ、体重62キロ。長い手足を生かし、大きなストライドで歩いていく。股関節が柔らかく、膝がしっかりと伸びるきれいなフォームは11年間、一度も失格がない。

 スピード勝負の20キロでは芽が出なかった。「これは厳しいなと思った。性格的に粘り強いし、50キロは自分との戦い。長い距離でも耐えられる」。大学時代に過酷な50キロを選択し、花開く。

 世界選手権には3度出場し、昨年は4位入賞した。しかし、胸の内は「五輪代表になっていない」と劣等感があった。 (森合正範)

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