紙面から

男子やり投げ 新井、振るわず11位

男子やり投げ決勝11位に終わった新井涼平=代表撮影

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 男子やり投げ決勝で、新井涼平(スズキ浜松AC)は79メートル47にとどまり11位だった。レーラー(ドイツ)が90メートル30で優勝した。

 男子5000メートルはファラー(英国)が13分3秒30で1万メートルとの2種目制覇。5000メートル、1万メートルの2大会連続2冠はビレン(フィンランド)以来で40年ぶり2人目。同1500メートルはセントロウィッツが3分50秒00で米国勢108年ぶりの金メダルに輝いた。

 女子800メートルはセメンヤ(南アフリカ)が1分55秒28で優勝。同走り高跳びはベイティア(スペイン)が1メートル97で制した。

 1600メートルリレーは男女とも米国が制覇。男子は2分57秒30で2大会ぶり、女子は3分19秒06で6連覇を果たした。 (共同)

◆試合の入り方に失敗

 新井の第一声は「すみませんでした」だった。男子やり投げ決勝。「やりたいことが多すぎて、いいイメージが持てないまま試合に入ってしまった」。予選では第1投で84メートル16をマークし、あっさりと決勝進出ラインをクリア。全体4位の好結果に足をすくわれた。

 「理想を求め、崩れた。自分のできること以上のイメージをしてしまった」

 アップの時点でも感覚がつかめず、迎えた第1投は77メートル98。つまずきを修正できず、第2投も80メートルに届かない。ここで上位8位に入らなければ次に進めない第3投。やりは力なく浮き上がり、72メートル49の失敗スローに終わった。

 結果的にベスト8進出に必要だった82メートル42超えは「練習でも簡単に出せる」という記録だった。いつも通りに臨めなかった初の大舞台。「足がまったく使えなかった。腕の振りだけ、という感じ。悪い部分が出てしまった」と悔いた。

 昨夏の世界選手権では9位。惜しくも入賞を逃したが「新たな感覚がつかめた」と飛躍へ向け、十分な手応えを得た。

 その全てを表現するはずの五輪決勝は、3投で終わった。「日本でもたくさんの方が応援してくださっていた。申し訳ない気持ちでいっぱいです」。率直な気持ちを聞かれると、涙で言葉が詰まった。 (リオデジャネイロ・高橋隆太郎)

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