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サッカー王国熱狂 ブラジル、初の「金」 苦しんで戴冠、ネイマール号泣

PK戦でドイツを退けて優勝し、喜ぶブラジルイレブン=リオデジャネイロで(内山田正夫撮影)

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 男子の決勝は過去に銀メダル3度、銅メダル2度の開催国ブラジルがドイツと1−1のまま延長を終え、PK戦を5−4で制して初優勝を果たした。3位決定戦はナイジェリアがホンジュラスを3−2で退け、銅メダルを獲得した。

 ブラジルは前半にネイマールが直接FKを決めて先制したが、今大会初失点を喫して追い付かれた。後蹴りのPK戦は相手の5人目が失敗し、直後にネイマールが成功させた。 (共同)

 やはり最後はネイマールだった。1−1で延長戦に入っても得点は動かず、PK戦に突入。両チームとも4人目まで成功したが、ドイツは5人目のFWペーターセンが失敗した。王手をかけたブラジルの5人目はネイマールだ。きっちりゴール右に決めると、聖地・マラカナンは6万3000人の足踏みと地鳴りのような大歓声に包まれた。

 王者を意味する「カピオン」コールを浴び、感極まり号泣した。「人生で一番幸せ。神様、家族、チームに感謝したい。結果を出せと批判を受けたけど、自分はサッカーでしか答えを出すことができない」

 試合はブラジルがボールを奪うだけで歓声が湧き起こる異様な雰囲気の中、前半からドイツが積極的に攻めた。しかし同26分、ネイマールが自ら得た直接フリーキックをゴール左上に決め、先制点を奪う。ドイツは後半14分、右サイドからのクロスをMFマイヤーが右足を振り抜き、追いついた。その後は一進一退の攻防が続いた。

 ブラジルにとって、この一戦の持つ意味は大きい。ドイツには2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の準決勝で1−7の惨敗。ネイマールは準々決勝で脊椎骨折の重傷で欠場した。今回は南米選手権を辞退してまで、オーバーエージ枠での五輪代表にこだわり、借りを返した。

 「自分の夢と故郷の夢がかなった。いまは満たされている。自分自身を誇りに思う」。王国に初の金メダルをもたらしたネイマールは表彰式で金メダルに2度キスをして感慨に浸った。 (リオデジャネイロ・森合正範)

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