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<注目の選挙区>世田谷区長選 都内最大の住宅地の明日は?

◆情勢

 23区最大の人口を維持し、2年前には90万人を超えた世田谷区。多摩川や等々力渓谷など自然も豊かだ。若年層の転入が多く、一時は全国ワーストの待機児童数でも知られた。子育て支援は常に課題で幅広い層への福祉も求められるが、一騎打ちとなった無所属の2候補の施策に明確な違いは見えにくい。

 元区議の新人三井美穂子さん(56)は自民の推薦を受けた。元全日空客室乗務員。NPOで認知症予防のアドバイザーを務めていた。現職の実績も認め批判は抑えつつ、自身の経験を生かして勝負する。健康づくりを重視し、介護予防のフレイルチェックや精度の高い子宮頸(けい)がん検診の導入、また危機管理の専門家を任命し災害対策の強化も訴える。

 現職の保坂展人さん(63)は元衆院議員で、教育ジャーナリストから政界に転身。前回、自民系候補との一騎打ちを制した。「国政の代理戦争は避けたい」として政党からの推薦は受けないが、共産、社民や旧民主系区議らが実質的に「野党共闘」で支援する。2期8年での保育園増設や福祉の相談窓口設置など実績を広く訴え、脱原発と自然エネルギー促進も主張する。(神谷円香)

◆候補の横顔(届け出順)

◇三井美穂子さん(56)

 区議2期目で昨年、議長に就任。重責を担う中、「自分にもっとできることはある」と出馬を決意した。住み続けたいと思ってもらえる「笑顔あふれる世田谷」を目指し、認知症予防アドバイザーをしていた経験から幅広い世代の健康づくりを施策の柱に掲げる。元全日空の客室乗務員。自身も子育てをしながら、より安心して子どもを育み、さまざまな方法で働ける社会づくりを考えてきた。三軒茶屋のような開けた街もありながら、緑も豊かなのが世田谷の魅力。自宅にはバラやレモンの植木鉢が並び、世話をするのが多忙な毎日の癒やしだ。

 

◇保坂展人さん(63)

 2期8年で、教育や福祉の充実、原発に依存しないエネルギー活用を進めてきた。10代から雑誌で自身の教育観を書き始め、ジャーナリストとして活動。「社会を動かすのは国会だ」と衆院議員になり、質問王と呼ばれるほど国の施策を問い続けた。東日本大震災後、迅速な対応で被災地を支える行政を見て「前面に立つのは自治体だ」と考えを変えた。区長になり週の半分は夜、住民との集会で対話を重ねた。座右の銘は「志太(しぶと)く」。海外含め、旅で新しい発見をするのが好き。プライベートでも、気づけば区長の視点で視察をしている。

 

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