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<注目の選挙区>板橋区長選 4選目指す現職と「脱原発」新人の一騎打ち

◆情勢

 東京都と埼玉県の境界に位置する板橋区。人口は約56万人で決して小さな町ではないが、大きな繁華街を持たないことから地味なイメージもある。東洋一のマンモス団地といわれた高島平団地があり、都内有数の住宅地であると同時に、戦前の軍需工場から発した光学産業の中小企業が集積する産業都市の顔も持っている。今回はいずれも無所属で新人の松島道昌さん(64)、現職の坂本健さん(59)の一騎打ちとなった。

 坂本さんは父親(故人)も板橋区議を務めた人物で、強固な支持基盤を持つ。大学で建築を学び、政治家になる前は大手設計事務所に勤めていた。直近2回の区長選はいずれも共産系候補との一騎打ちで、圧倒的票差で当選を重ねてきた。

 松島さんは市民グループに推され、立憲民主党、共産党、自由党、社民党の推薦を取り付けた。新人とはいえ区議を六期務めたベテランだ。「脱原発」を旗印に、保守と革新の垣根を越えた共闘で挑む。

 なぜ板橋で脱原発なのか。松島陣営は東海第二原発から約100キロという距離の近さを挙げ、ひとたび事故が起きれば区民の安全を守れないとの見方だ。環境問題では坂本さんも小豆沢体育館プールの地中熱導入などを例に、再生可能エネルギーへの取り組みを表明している。(宮崎美紀子)

◆候補の横顔(届け出順)

◇松島道昌さん(64)

 「性格はおせっかい。頼まれたら嫌とは言えない。今回はまさにその典型」と笑う。6期務めた区議の引退を決めたら、脱原発で意見を同じくする市民グループから区長選への出馬を要請された。「原発ゼロに保守も革新もない。みんなが一つにまとまれば、板橋を変えられるチャンスになる」と決意した。「区議として十分やってきたが、脱原発や区長退職金の廃止は区長でなければできない」。尊敬する政治家は翁長雄志・前沖縄県知事で、住民参加の街づくりを掲げる。趣味は夫婦での登山だが、山に関しては妻の方が上級者らしい。

 

◇坂本健さん(59)

 都議から転身し、3期12年務めてきた。区役所南館の新設、独自の放課後対策事業、民・学・公連携による高島平団地の街づくりなどを実績に上げるが「まだ課題解決の途中。2025年までの基本計画を進める重要な時期にある」と区政の継続を訴える。テーマは「東京で一番住みたくなるまち」。最優先課題として児童相談所を備えた子ども家庭総合支援センターの設立を目指す。板橋生まれ、板橋育ち。「街道文化、産業、自然など多様な地域性があるのが板橋の魅力」。趣味は書道。集中して楽しめる時間を大事にしている。

 

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