東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 統一地方選2019 > 東京 > 記事一覧 > 記事

ここから本文
写真
 

<注目の選挙区>三鷹市長選 自民分裂、5選目指す現職に前副市長が挑む

 5選を目指す現職の清原慶子さん(67)と新人で前副市長の河村孝さん(65)がそれぞれ無所属で出馬した。清原さんが市長に初当選した2003年から助役・副市長として3期12年支えた河村さんが対決する異例の構図で、市を二分する激しい選挙戦となった。

 4年前の前回市長選で、清原さんから後継指名を受けた河村さんは出馬を表明したが、告示日直前に脳の疾患に倒れた。急きょ清原さんが再登板し、4選を果たした経緯がある。

 今回は、河村さんが「全快した」とする自民党三鷹総支部が、前回と同様に清原さん引退と河村さん出馬を画策したものの、清原さんの続投の意思が固く、一本化の調整が不調に。自民党は「自主投票」を決めたが、党市議団の幹部らが清原陣営、党総支部長が河村陣営に分かれ、事実上の自民分裂選挙の様相だ。

 清原さんは4期16年の実績と知名度を生かし、選挙戦を優位に進める絵を描いていたが、過去4回の選挙で運動の中核を担ってきた自民党の組織的な支援を受けられず、自前の組織による初めての戦いを強いられている。

 河村さんは、市が進める市役所庁舎の建て替え計画に「200億円ともいわれる税金で建て替えることに反対する。立ち止まって考え直すべきだ」と主張。清原さんの支援団体の一部を切り崩すなど徐々に浸透を図っている。(花井勝規)

◆候補の横顔(届け出順)

◇清原慶子さん(67)

 1980年から、母校の慶応大や東京工科大で教壇に立った。大学院生の時に、三鷹市のまちづくり市民会議委員に就任。以来、市の審議会などを歴任し、2003年の市長選立候補につながった。4期務めた市長以外では、現在でも全国市長会副会長、内閣官房の郵政民営化委員会委員など多くの公職に就いており、その肩書の多さと顔の広さがしばしば話題に上る。「誠心誠意」という言葉が好き。行政の仕事は結果だけでなく、いかに「思い」を反映できるかを心がける。音楽は松任谷由実さんとモーツァルトを好む。95年に離婚し、女手ひとつで2人の娘を育てた。今は母(95)、次女の家族と6人で暮らす。

 

◇河村孝さん(65)

 2015年の前回選挙で清原慶子市長から後継指名を受けながら、告示日直前に脳の病気に倒れた。「あの時は、自分の健康を過信していた」と振り返る。健康を回復し、再び立った。「多くの市民が自分に期待して、支えてくれるのはかけがえのない喜び」と感じる。空手3段。1977年に早大卒業後、三鷹市に入庁した際の配属先は教育委員会の体育課だった。「体育会系」の顔のほか、企画部長など企画畑を歩んだ政策通としても知られる。「三鷹の森ジブリ美術館」の誘致では都やスタジオジブリとの交渉役だった。愛読書は村上春樹さんの「雑文集」。好きな言葉は「持続する志」。2人の娘は独立し、市内でひとり暮らし。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】