東京新聞

創作舞踊部 1位

磯結夏(出演:磯結夏、大槻沙絵、足立真珠、青柳潤)
「砂になる記憶」
ダンスワークス(指導者:坂本信子)

踊りを始めたきっかけは?
6歳の頃、可愛い衣装に憧れクラシックバレエを始めました。
中学生の頃、クラシックバレエは自分には向いていないのではないかと悩んでいた時、現代舞踊と出会い「野坂・坂本NSバレエスタジオ」の門をたたきました。
体験レッスンで「自由に踊っていいよ」と声をかけて頂いた先生との出会いが、再び私の舞踊人生に光と希望を与えてくれた瞬間でした。
踊りを続けていて一番楽しかったこと・うれしかったことは?
尊敬する先生と仲間ができたこと、踊りを通して沢山の人に出会えたことです。
そして何より自分らしくいられる場所を見つけたことです。
今回の出場にあたって、心がけたことは?
全国舞踊コンクール創作舞踊部は今回で3回目の挑戦です。
今までの講評を深く考え、作品の題名、音楽、衣装全てにこだわりました。
一緒に踊ってくれたダンサーとはイメージを常に共有し、見たい景色を伝え続けました。
「砂になる記憶」は世界が抱える環境問題の一つである【干ばつ】がテーマとなっています。今、世界では干ばつにより生きるために故郷を去らなくてはいけない環境難民が多く存在しているという現状があります。日本にいると実感が湧きませんが「思い出の記憶が詰まった故郷が砂漠化し、砂となってゆく中でも一筋の希望に向かって力を合わせ歩み続ける」というメッセージを込めてこのテーマに挑戦しました。
踊る時に一番大切にしていることは?
私なりに作品の見たい景色を考え、全体の空気を感じる様に心掛けています。そして何より「楽しんで踊ること」を大切にしています。
将来の夢は?
私はダンサーとして身体的に恵まれているわけではないと思います。
一つのことを続けることは難しく、辛い思いも沢山しました。しかし、どんなことがあっても応援してくれる両親がいて「踊ることが好き」という気持ちで今でも踊っています。私の個性を伸ばしてくれた先生の様に、踊ることに悩み続けることを諦めようとしている人に寄り添うことのできる指導者になることと、自分らしい作品を創り続け、一生踊りに関わって生きていくことが私の夢です。

写真:スタッフ・テス株式会社 根本浩太郎