紙面から(パラリンピック)

リオ・パラリンピック開幕 「無限の可能性」の社会へ

リオ・パラリンピックの開会式で、入場する日本選手団=7日、リオデジャネイロで(田中久雄撮影)

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 【リオデジャネイロ=本社取材団】障害者スポーツ世界最高峰の大会、パラリンピックの第十五回夏季大会の開会式が七日夜(日本時間八日朝)、ブラジル・リオデジャネイロのマラカナン競技場であり、過去最多の四千三百五十選手が競う十二日間が幕を開けた。

 開会式のテーマは「無限の可能性」。南米初のパラリンピックは治安の問題や市民の関心の低さが指摘され、開幕直前にはロシア選手団のドーピング問題を受けた不参加が決まるなど不測の事態もあったが、八万人の観客席は市民、各国の応援団や報道関係者で満員になった。

 米国の車いすパフォーマー、アーロン・ウィールズさんが会場に特設された高さ十七メートルの急斜面を下ってジャンプしながら一回転。着地とともに天井の吹き抜けに金色の花火が上がり、拍手と歓声が湧き上がった。

 下半身が不自由だがサッカーをしたいと願う息子のために脚の補助器具を作り、ペナルティーキックだけの競技を広めたブラジルのアレサンドレ・ファレイロスさんの足跡を映像で紹介。義足の女性がロボットとともに華麗なダンスを披露した。

 下半身にまひがあり、パラリンピック競泳男子で六個の金メダルを獲得している地元のクロドアルド・シルバ選手が聖火を手に車いすで登場。階段を前に困っているとスロープが現れた。ジグザグに上って聖火台に点火し、バリアフリー社会の実現を表現した。

 参加する百五十九カ国・地域と難民選手団のうち、同選手団が先頭で入場。日本選手団百三十二人の半数が音楽に合わせて八十二番目に登場し、金メダルを狙う車いすテニス女子の上地(かみじ)結衣選手を旗手に笑顔で行進した。

 大会は十八日まで。新たに正式競技になったトライアスロンとカヌーを含め二十二競技を実施する。選手たちは体の一部のまひや切断、目や耳、知的などさまざまな障害があるため、同じ程度の障害の選手を決める「クラス分け」に応じた五百二十八種目で競う。

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