紙面から(パラリンピック)

競泳・英雄ジアスまず1冠 ブラジル

男子200メートル自由形決勝力泳する優勝したブラジルのダニエウ・ジアス=田中久雄撮影

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 競泳男子でブラジルのダニエウ・ジアス(28)が200メートル自由形で今大会最初の金メダルを手にした。バタフライや背泳ぎなど9種目に出場していくつのメダルを手にするか、注目が集まっている。

 ゴールした直後、ジアス選手は指が1本しかない左手を突き上げて、地元ファンの大声援に応えた。まず1冠。北京大会で金メダル4個を含む9個、ロンドン大会で金メダル6個を取った英雄は「メダルは約束されているものじゃない。いい泳ぎができたことの結果」と謙虚だ。

 生まれつき右肘から先と右膝から下がなく、左腕は指が1本。音楽が好きで、スティックを腕に結び付けてドラムをたたいていた若者を驚かせたのは、2004年のアテネ大会で6冠に輝いたブラジルのクロドアルド・シルバの活躍だった。

 突き動かされるようにサンパウロのプールへ。2カ月で4泳法を覚えた。周囲を驚かせたその身体能力を、ジアスは「神様の贈り物」と話す。

 五輪の競泳で計28個のメダルを獲得した米国のマイケル・フェルプスとよく比べられる。「光栄なことだけど、ぼくはダニエウ・ジアス。障害者選手として全力で泳ぐ姿を見てほしい」。ライバルは自分自身。残る種目で世界記録更新を目指す。 (北島忠輔)

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