紙面から(パラリンピック)

ゴールボール・日本女子 初戦引き分け

日本−イスラエルボールの音を頼りながらディフェンスする(上から)安達、浦田、小宮=田中久雄撮影

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◆連係修正 堅守取り戻す

 パラリンピックならではの競技であるゴールボール。リオデジャネイロ大会でロンドン大会に続く金メダル獲得を目指す日本の女子チームは8日、1次リーグ初戦でイスラエルと対戦し、1−1で引き分けた。先制を許した後、連覇の鍵となるチームワークで守備を立て直し、失点を最小限に抑えた。

 静まり返った会場で耳を澄ますと、かすかな音が聞こえた。「タッタッタッ」「ゴロゴロ」「リンリン」。選手たちは相手の足音や鈴の入ったボールが転がる音を手がかりにコースを見極め、3人が連係してゴールを守る。

 第2次世界大戦で視覚に傷害を負った軍人のリハビリとして考えられたゴールボール。パラリンピックには1976年トロント大会から採用された。バレーボールと同じ広さのコートで、1チーム3人が目隠しして完全に視界を遮った状態で、1・25キロのボールを投げ合う。

 3人が息をぴったり合わせて素早く陣形を整えるチームワークは、日本の真骨頂。だが、イスラエル戦では前半、硬さが見られた。相手選手が体を1回転させて勢いよく投げ込んでバウンドさせたボールを止めきれず、前半8分に先制を許した。

 「姿勢が崩れて防御のタイミングが合わなかった」。守備の要で主将の浦田理恵(39)=シーズアスリート=はそう振り返ったが、ロンドン大会の優勝チームは、そこから立て直す。前半の終了間際に途中出場の若杉遥(21)=東京都青梅市、立教大=のゴールで同点に追い付くと、声を掛け合うことを意識。後半は堅い守りで失点を許さなかった。

 守備側は幅9メートルのゴールの前に体を横たわらせて止める。欧米の選手より小柄な日本の選手にとっては、連係プレーの完成度が勝敗を左右する。

 1次リーグは5チームずつ2組に分かれ、総当たり戦でそれぞれ4チームが準々決勝に進む。「試合が進むにつれてイスラエルの攻撃に対応できた」(浦田)という修正力を武器に、9日夜(日本時間10日朝)の開催国ブラジル戦に臨む。 (北島忠輔)

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