紙面から(パラリンピック)

車いすテニス 試合勘戻らず敗退 国枝選手「迷い出た」

男子シングルス準々決勝で敗れ3連覇を逃した国枝慎吾選手=13日、リオデジャネイロで(田中久雄撮影)

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 車いすテニス男子シングルスの国枝慎吾選手(32)=ユニクロ=が準々決勝でベルギーのジェラール選手に敗れ、目標としていた北京、ロンドンに続く史上初の三連覇を逃した。春に右肘を手術し、不安を抱える中で臨んだリオ。「自分の感覚が戻ってこなくて残念」と悔しがった。

 前夜のダブルスで三時間を超える試合を制した国枝選手。この日はサーブやショットが思うように決まらず、ジェラール選手に強烈なスマッシュを決められた。国枝選手は試合後、「フォアもバックも迷いが出て、振り切りがよくなかった。力負けです」と唇をかんだ。

 パラリンピックでの敗戦は二〇〇四年のアテネ大会以来、三大会ぶり。四大大会でシングルス優勝二十回を誇る王者だが、昨年から右肘の痛みに苦しみ、手術を受けた。

 「けがは問題なかった」と国枝選手。三回戦までの二試合はストレート勝ちで復活を印象付けたが、強敵相手に勝ち抜く試合感覚は最後まで戻らなかった。

 長年、世界ランク一位に君臨した実績から車いすテニスの「レジェンド」と呼ばれ、日本の障害者スポーツを象徴する存在。二〇年東京大会に向けて「リオで勝って、自分の中で物語をつくりたい」と意気込んでいたが、不完全燃焼で終わった。

 斎田悟司選手(44)=シグマクシス、三重県四日市市出身=と組んで臨んだダブルス準決勝も英国ペアに完敗。十五日に行われるダブルスの三位決定戦に全てをぶつける。 (北島忠輔)

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