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東京都知事選

小池氏名乗り 自民都連「寝耳に水」 相談なし、緊急会合へ

東京都知事選への出馬を表明する自民党の小池百合子氏(左)=29日午前11時11分、東京・永田町の衆院第1議員会館で

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 告示まで残り二週間余に迫った東京都知事選に、元防衛相で自民党都連所属の小池百合子衆院議員(63)が名乗りをあげた。元官僚を意中の候補者として最終調整に入った同党都連の機先を制するように、「自民党議員として出馬の決意を固めた」と語った小池氏。都連幹部らは「寝耳に水だ」「何の相談もなかった」と驚きを隠せない。(都政取材班)=<1>面参照

 舛添要一前知事が政治資金問題で辞職に追い込まれたのを受け、自民都連は今回の候補者選考で「同じ問題が繰り返されかねない政治家の擁立は無理だ」(都連幹部)というのが共通認識だった。しかし、小池氏は記者会見で「すべての国会議員がクロやグレーかというと、それは違う。一人ひとり出馬表明する権利がある」と反発した。

 党都連は小池氏の出馬表明への対応を検討するため、二十九日夕に党本部で都連所属の国会議員、都議らの緊急会合を開くことを決めた。

 萩生田光一官房副長官は二十九日午前の記者会見で、小池氏が出馬表明したことについて「都連執行部に何ら相談もなく、出馬表明することにやや違和感がある。正直びっくりしている」と述べた。

 小池氏も出席した先週の都連会合で、候補者選考は都連執行部に一任されていたとも説明。小池氏を支援するかどうかは「都連執行部が決める」と述べるにとどめた。

 ベテラン自民都議は「寝耳に水だ。小池氏も自民党の仲間だから、出馬で党内が割れるのだけは勘弁してほしい」。別の自民都議は「本人の決断として立派だとは思うが、物事には順序がある」と語った。

 自民都連は今週内に都知事選候補の決定を目指し、前総務次官の桜井俊氏(62)に出馬要請をする方針を固めている。だが、桜井氏は「(出馬要請があっても)出るつもりはない」と固辞していることから、本人の意向を見極めながら出馬を促す考えだ。

 小池氏は記者会見で、元官僚の擁立方針についても暗に批判。「共感を呼び起こして大義を達成するのは行政官ではできない」と語った。党の支援がなくても立候補するのかと記者に繰り返し問われても「情勢を見極めながら進めていきたい」とかわし、明言しなかった。

 

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