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東京都知事選

自民票も小池氏へ 出口調査の集計結果分析

 元防衛相の小池百合子氏が初当選した東京都知事選で、無党派層や各政党の支持者はどう動いたか。有権者は何に期待して一票を投じたのか。東京新聞が都内の投票所で実施した出口調査の集計結果から分析した。(集計数字は小数点第二位以下を四捨五入)

無党派層・年齢別

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◆30、40代半数超が小池氏

 「支持政党なし」と答えた無党派層は37・5%と、最も多い自民支持層の38・3%とほぼ同じ割合だった。前回の四割より減ったものの、無党派層の半分以上が小池氏に投票し、一定の影響力をもった。鳥越氏の20・1%と増田氏の18・8%を足しても小池氏には及ばなかった。

 年代別にみると二十〜五十代ではいずれも無党派が四割を超え、最も多い四十代では五割だった。高齢者では六十代が33・5%、七十歳以上は19・4%だった。投票の際に重視した基準では「お金に対するクリーンさ」を選んだ人の四割強が無党派層だった。当選後に最優先での取り組みを希望する政策は「景気・雇用」が最多だった。

 一方、政党支持層を合わせた年代別では、小池氏が三、四十代の半数以上の支持を得た。鳥越氏は十〜四十代で一割強の票しか得られなかった。

支持政党別

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◆増田氏4割しか自民固められず

 支持政党別の投票先をみると、小池氏は政党の推薦・支持がなかったにもかかわらず、自民やおおさか維新支持層の五〜六割を固め、民進支持層も四割弱取り込んだ。共産支持層からも二割弱得票した。自民推薦の増田寛也氏以上に自民票を得たことが、無党派票と合わせ、他候補を突き放す要因となった。

 増田氏は公明票を七割固めたものの、自民支持層から四割しか票を得られず、他党支持層へも支持が広がらなかった。

 鳥越俊太郎氏は推薦を得た四党のうち、共産支持層こそ七割弱を固めたが、社民はほぼ六割、民進、生活の支持層はいずれも五割程度しか固め切れなかった。

 野党勢力の分散を避けるため、告示直前に立候補を断念した宇都宮健児氏に前回投票した人は鳥越氏に半数しか投票せず、三割弱が小池氏に流れた。増田氏に投票した人は一割程度だった。

政策と投票先

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◆「貧困対策」鳥越氏へ4割

 当選後に最優先で取り組んでほしい政策を八項目挙げて聞くと「景気・雇用」を選んだ人が最多で、「医療・介護」「教育・子育て」「行財政改革」の順。各項目を重視する人ごとの投票先をみると、七項目で小池氏がトップだった。

 唯一、「貧困対策」を重視した人々は、四割以上が鳥越氏へ投票し、小池氏には三割弱だった。増田氏には「東京五輪・パラリンピックの準備」を重視した人の三割強が投票した。

 投票の際に最も重視した事柄を尋ねると、「政策」「人柄」「政治経験」が多かった。都知事が二代続いて失脚した要因である「お金に対するクリーンさ」を重視した人も一割弱いて、その45・5%が小池氏に投票し、鳥越氏へ32・4%、増田氏には16・7%にとどまった。増田氏には「行政経験」、鳥越氏には「支援する政党や団体」を重視して投票した人が多かった。

 ▽出口調査の方法=都内60カ所の投票所で、投票した有権者に質問用紙を渡し、示した回答から選択肢で答えてもらった。10代〜70歳以上の男女計2623人から回答を得た。

 

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