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東京都知事選

小池氏、男性中心の都庁に挑む 局長級60人中、女性3人

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 東京都知事に女性が就くのは初だが、他の道府県では過去に6人の女性知事が誕生しており、海外では国家や首都の女性トップも珍しくない。都庁では男性職員が幹部を占める「男性目線」が続く中、より弱者に目を向ける都政へと変革できるかが問われる。

 「男性目線」について、インターネット上のグループ「全日本おばちゃん党」代表代行の谷口真由美大阪国際大准教授は、独善的で労働者や女性、子どもなど「力の弱いもん(者)、声が小さいもん(者)」に厳しい政治だと喝破した。

 それは、「女性の活躍推進」と言いながら、困難にある女性を切り捨てたり、子どもや障害者、不安定雇用者らに冷たい政治だ。

 選挙中、石原慎太郎元知事が小池氏を「大年増の厚化粧」と形容したことがある。石原氏は知事在任中には「文明がもたらした最もあしき有害なものは『ババア』なんだそうだ」とも発言した。13年半続いた石原都政で男性目線化が進んだのは否めず、都の政策決定の最終段階がほぼ男性で占められてきた。

 過去の副知事52人中、女性は鈴木俊一都政の1人だけ。その下の局長級(行政系)は、現在の60人中で女性は3人。

 都議会に目を転じれば、2年前、男性議員が女性議員に「早く結婚した方がいい」などとセクハラヤジを飛ばし、蔑視があらわになった。

 自民党という男性中心社会で生き抜いてきた小池氏が、都政をどう変革するのか。「痛みを分かってくれるはず」と期待した人々の票を裏切ることは許されない。

  (柏崎智子)

 

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