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東京都知事選

小池氏「行政官より政治家必要」 自民都連「出馬の相談なかった」

都知事選へ出馬表明し、参院選の応援演説をする小池衆院議員=29日午後、神奈川県小田原市で

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 七月十四日の告示まで残り二週間となった東京都知事選。自民党都連は前総務次官、桜井俊氏(62)の擁立を目指す一方、同じ都連所属の小池百合子衆院議員(63)が突然の出馬表明をしたことで、自民の候補者擁立は波乱含みの様相を呈してきた。(都政取材班)=<1>面参照

 「私は大決心をしました」。小池氏は二十九日午後五時すぎ、神奈川県小田原市で参院選候補者の応援演説を行い、都知事選に出馬する決意を訴えた。

 この日午前に国会内で開いた記者会見では、元官僚を意中の候補者とする党都連を暗に批判した。「首都東京に必要なのは十六万人の職員に、もうひとり行政官を増やすことではありません」。自民の支援がなくても出馬するのか、と記者に繰り返し問われても「仮定の話には答えられない」とかわした。

 小池氏周辺はこう声を潜めた。「何人かの議員はこちらについてくる」。たとえ自民の支援が受けられなくても立候補する−。その意思表示だった。

 舛添要一前知事が政治資金問題で辞職に追い込まれた反省から、自民の候補者選びでは「政治家はたたけばほこりが出る。今回はバッジ組(国会議員)は無理」(自民都連幹部)というのが共通認識だった。都政の安定化とともにカネの問題で追及されにくい候補者を探した結論が、前総務次官の桜井氏だった。

 しかし、早くから周囲に出馬の意向を漏らしていた小池氏にとって、政治家をひとくくりにして候補者選考から除外した都連への反発も、突然の表明の背景にある。小池氏はこう主張した。「何かやましいことがあると国会議員が自ら認めれば、国政への信頼が確保できないのではないか」

     ◇

緊急会合後の会見を終え、席を立つ石原・自民党都連会長(右)=29日午後、東京・永田町の自民党本部で

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 小池氏が応援演説のマイクを握った午後五時すぎ、千代田区の自民党本部では、都連所属の国会議員や都議らが緊急会合を開いていた。「小池氏から出馬の相談を受けた人はいますか」。都連幹部の問いかけに、誰も手を挙げなかった。平沢勝栄衆院議員が唯一、小池氏から電話があったことを明かしたが、それは記者会見する五分前で「都知事選に出馬します」と告げられただけだったという。

 都連会長の石原伸晃経済再生相は、会合終了後の記者会見で「(出馬表明前に)電話したが、出なかった。しかし、何の相談もなく立候補を表明した」と不快感をあらわにした。都連幹部は小池氏について「支援なんてありえない」と口をそろえた。

 

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