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東京都知事選

主な候補予定者の共同会見<冒頭発言要旨>

 東京都知事選に出馬表明していた主な候補予定者が13日に都内の日本記者クラブで共同記者会見した。詳報は次の通り。(冒頭発言は宇都宮健児氏を除き五十音順) 

<お断り> 宇都宮健児氏は13日夜に立候補を取りやめる意向を表明しましたが、共同記者会見の時点では立候補の意思があったため、発言などを掲載しました。

◆元防衛相・小池百合子氏

 身を切る改革を進める

 二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックを契機に「ビヨンド二〇二〇」(二〇年以降)も踏まえた新しい東京をつくっていきたい。

 まず財政を透明化する。一般・特別で予算額は十三兆円。五輪・パラリンピックの予算運営が適正か、あらためてチェックしなければならない。身を切る改革を進める観点から、知事報酬の削減も訴えている。

 三つのシティを挙げている。まずダイバーシティ(多様性)。女性も男性も、子どもも障害者もお年寄りも生き生きと過ごし、時には結婚して子どもを育てる素晴らしいまちに変える。女性政策は国政でも本気にやられていなかった。待機児童問題が改善されれば、さらに働く意欲のある方が出てくる。

 防災に備える「セーフシティ」、もっと成長していかなければならないという意味で「スマートシティ」を訴えたい。

◆ジャーナリスト・鳥越俊太郎氏

 がん検診受診率100%目指す

 高度(経済)成長の頃、「今日より明日、明日より明後日は良くなる」と思っていた時代はとっくになくなり、「今日より明日、明日より明後日は悪くなる」という将来から押し寄せてくる不安で皆さんがつぶされそうになっている。

 東京の合計特殊出生率は1・17。将来が安心して迎えられないから子どもを産んで育てる人が少ないという結果が、全国最低レベルの数字をもたらしている。

 私はがんの経験者。大腸がんのステージ4から生還した。日本人は二人に一人ががんになり、三人に一人はがんで亡くなる。将来への不安で最も大きい。がん検診の受診率を高くしなければいけない。早く見つけて処置する。欧米は60〜70%の受診率が日本は30%台。東京も低いレベル。せめて50%、最終的に100%まで上げていく。東京都として率先して取り組みたい。

◆元総務相・増田寛也氏

 同時並行で3つの成長戦略

 四年間で三人の知事が突然辞任した。リーダーが欠けた中で課題解決ができなかった。一刻も早く課題解決に努めることが必要だ。

 まずは子育ての問題。待機児童八千人。実際にはこんなものじゃない。もっと困っている親がいる。介護をはじめ高齢者の問題を解決しなければいけない。施設もそこで働く人の数も足りない。首都直下型地震は三十年以内に70%の確率で発生し、六十一万棟が焼失損壊する。インフラ整備では防げない。ソフト対策で対応することも重要だ。

 同時並行的に三つの成長戦略を進めたい。二〇二〇年の五輪・パラリンピックは準備を急がなければならない。中小企業対策をはじめとした産業の強化が必要で、そこで働く人たちの環境を良くしていく。女性活躍の視点も大事。エネルギーを二〇年以降にどうつなげていくか。こうした点が必要だ。

◆元日弁連会長・宇都宮健児氏

 都民の福祉増進最も重要

 東京にはさまざまな困り事がある。安心して働き、子育てができて、老後が過ごせる東京にしなければいけない。都民の福祉増進は都政の一番大きな役割だ。社会保障の充実が重要だ。

 八千人を超える全国最多の待機児童をゼロにする。特別養護老人ホームに入れない高齢者をなくす。貧困家庭に育った子どもが高等教育を受けられない。小中学校の給食を完全無償化し、高校授業料を完全無償化、あるいは都立の大学や看護学校の授業料半額化を実現する。都独自の給付型奨学金を実現したい。

 非正規労働者の賃金が低い。東京の最低賃金は九百七円だが、労働者平均の月百五十時間働いて十三万円ちょっと。これでは普通に働いて結婚して子育てすることはできない。公契約条例を作り、都発注の公共事業は千五百円以上の賃金を払う民間企業しか受注できなくさせる。

 

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