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東京都知事選

首都の顔、じっくり 主な候補者第一声

 明日の首都を託す。東京都知事選が14日告示され、候補者は都内各地で第一声を上げた。都政の課題は山積する。「政治とカネ」の問題で2代続けて知事が辞職し、失墜した信頼をどう回復させるのか。格差が広がる社会で都民の暮らしをどう守り、2020年の東京五輪・パラリンピックで何を描くのか。31日の投開票に向け、熱い舌戦が繰り広げられる。 

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◆鳥越俊太郎さん

 新しい戦いが始まる

 野党四党の統一候補でジャーナリストの鳥越俊太郎さん(76)は、新宿駅東南口で午前十時半すぎに第一声を上げた。「報道の現場でアウトサイダーを気取ってきた。でも人生の最後、これでいいのかと出馬を決断した」と拳(こぶし)を振り上げた。

 グレーのスーツにノーネクタイ姿。同九時ごろ、渋谷区内の自宅では「さあ、これからやるぞ。今、新しい戦いの一日が始まる」と語った。

 出馬表明は告示二日前。昨夜は取材対応が遅くまで続き、午前一時半に寝て、同四時十五分に起きた。「東京には将来への不安がすごくある。待機児童や医療、介護、年金の問題もそう。全国に先駆け対策を打ち出す」と力説した。

 第一声には、先の参院選で野党共闘の原動力となった若者団体「SEALDs」の中心メンバー、奥田愛基(あき)さん(24)も駆け付けた。

<とりごえ・しゅんたろう> 福岡県出身。京大卒。毎日新聞社に入社。テヘラン特派員、サンデー毎日編集長をへて、退社後は「ザ・スクープ」など報道番組のキャスターやコメンテーター、関西大教授を務めた。桶川女子大生ストーカー殺人事件の報道で日本記者クラブ賞を受賞。「報道は欠陥商品と疑え」など著書多数。がんを患い、がんに関する著書もある。趣味は車の運転、歌うこと、映画。76歳。

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◆増田寛也さん

 3つの不安解消宣言

 元総務相の増田寛也(ひろや)さん(64)は午前十時半、千代田区隼町の選挙事務所前で出陣式を行った。

 黒いスーツに赤色のネクタイ姿でマイクを握ると、「都政の混乱に終止符を打たなければならない」。知事が任期途中で辞職したことによる都政の停滞から演説を切り出した。

 子育てや介護、防災の三つの不安解消を宣言。待機児童については「就任一カ月以内に地域別の対策プログラムを作る」と訴えた。東京五輪・パラリンピックの成功を誓い「五輪は通過点。二〇年以降の東京のグランドデザインをしっかり描く」と力を込めた。

 自民、公明などが支援。多数の国会議員や都議が顔をそろえた。菅義偉(すがよしひで)官房長官も駆け付け「参院選では安倍政権に支持を得たが、アベノミクスの先頭に立つのが東京」と激励した。

<ますだ・ひろや> 東京都出身。東大卒。旧建設省の官僚から、当時の小沢一郎・新進党幹事長に推され、1995年に岩手県知事に当選。3期12年務め、改革派知事として地方分権の旗を振った。2007年、当時の安倍晋三首相に請われて第1次安倍内閣で総務相に就任。14年、消滅する可能性のある自治体名を公表し、東京一極集中に警鐘を鳴らすリポートを発表した。趣味はサイクリング、乗馬。64歳。

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◆小池百合子さん

 東京の大改革進める

 元防衛相の小池百合子さん(64)は午前十一時すぎ、池袋駅西口で第一声を放った。クリーム色のパンツスーツに緑色の鉢巻きを締めた小池さんは「東京の大改革を進め、誰にとっても住みやすく、安心して子育てできる東京にしていきたい」と、集まった多くの支持者らに呼び掛けた。

 小池さんは「四年間に三人の知事が代わり、さまざまな問題が起こった。都民の手で都民による都民のための都政へと取り戻していきたい」と話し、予防医療や受動喫煙防止対策の推進、無電柱化などの政策を訴えた。

 自民党の推薦を得られなかった小池さんは「これまでの選挙の中で一番厳しい」とも。その上で「私一人で始めたバイオリンに、皆さまがいろんな楽器を持ち寄って、大きなオーケストラにしていきましょう」と呼び掛け、都民参加の都政を訴えた。

<こいけ・ゆりこ> 兵庫県出身。カイロ大卒。アラビア語通訳、経済ニュース番組キャスターを経て1992年、当時の日本新党から参院選に初当選。翌93年から衆院議員となり、8期連続当選。2002年に自民党入党。03年に当時の小泉純一郎首相に請われて環境相、07年には第1次安倍内閣で女性初の防衛相を務めた。環境相時代は夏の軽装「クールビズ」を広めた。座右の銘は「備えよ常に」。64歳。

◆山口敏夫さん

 東京五輪の事業 都民生活脅かす

 元衆院議員で元労相の山口敏夫さん(75)は午前十時すぎ、新宿区の小田急百貨店前で第一声。「二〇年東京五輪・パラリンピックの事業が都民生活を脅かし、教育や福祉が放り出されている。それを理解してもらうために立候補した」と訴えた。

◆中川暢三さん

 官民で経験豊富 開かれた都政を

 前兵庫県加西市長の中川暢三(ちょうぞう)さん(60)は午前九時半すぎ、新宿区の選挙事務所で第一声。「行政の常識を変え、日本一開かれた都政を目指す。官民での経験が豊富な私なら実現できる」と強調し、知事給与五割カットなどを訴えた。

 

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