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東京都知事選

信頼回復しっかり 第一声、有権者は

◆都民の声に耳傾けて

 新宿駅東南口 鳥越俊太郎さんに期待

 鳥越俊太郎さんが第一声を上げた新宿駅東南口。うだるような暑さにもかかわらず、会場の広場を見下ろす道路や階段にまで聴衆があふれた。

 新宿区の高橋正志さん(72)は自転車で駆け付けた。「私の長所は聞く耳を持っていること」とアピールした鳥越さんについて、「ジャーナリストとして、事実を見極める目も持っている。都民の声をしっかり聞いてやってくれそうだ」と期待感をにじませた。合唱団の運営に関わっていることから「文化施策も頑張ってほしい」と付け加えた。

 告示直前で出馬を取りやめた宇都宮健児さんとの連携に注目する声も聞かれた。友人と二人で聞き入った目黒区の主婦(39)は「演説は抽象的な面もあったが分かりやすかった。『聞く耳を持つ』ということで、宇都宮さんの政策を生かしてほしい」と力を込めた。

 足立区の団体職員児玉紀子さん(64)は、二代続けて知事が「政治とカネ」問題で辞職に追い込まれたことに触れ、「新知事にはクリーンさや透明性を求める」。孫が保育所に入れなかった経験もあるといい「保育関係の施策や、奨学金など若い人への対策もしっかりやって」と注文した。

◆弱い立場の人第一に

 千代田区隼町 増田寛也さんに期待

 増田寛也(ひろや)さんが構えた千代田区隼町の事務所はオフィス街の一角。朝から大勢の支援者らが詰め掛け、午前十一時すぎに選挙カーの上に乗った増田さんがマイクを握ると、大きな歓声が上がった。

 演説を聞いていた世田谷区の男性会社員(66)は「全体的にオーソドックスな印象だけど、都民が何を望んでいるか分かっている。高齢者や小さい子供を抱えたお母さんら、弱い立場にいる人を第一に考えてほしい」と強調した。

 増田さんの支持者という千代田区のパート森悦子さん(73)も弱者に優しい都政を望み、「五輪だけでなく、パラリンピックもぜひ成功させてほしい。それが新しい東京の姿を世界に示すことになる」と訴えた。

 一方で、千代田区の主婦(39)は「二人続けてお金の問題で辞めているし、多くは期待していない。新知事にはとにかく長く続けてもらいたい」と主張。世田谷区の会社顧問の男性(72)は「前の二人はあまりにもお粗末だった。何のために都政をあずかるのか、目的意識を持つことが大切。議会や職員とコミュニケーションを取りながら少子化対策などに取り組んでいってほしい」と注文を付けた。

◆政治とカネ切り込め

 池袋駅西口 小池百合子さんに期待

 池袋駅西口で小池百合子さんの第一声が始まると、足を止めて演説に耳を傾ける人も多くいた。

 最後まで聞いた練馬区の須沢光彦さん(69)は「国政経験も長く、政治の裏も知っているはずの小池さんは政治とカネの問題に切り込んでくれそう」と、透明性の高い都政運営を訴えた点を評価。「議会とうまくやろうとする知事より、信じられる」と期待した。

 文京区の杉崎幸枝さん(65)は、舛添要一前都知事が進めていた都有地の韓国人学校への貸し出しを見直す方針を表明したことを支持し、「都有地は都民に必要な施設のために使うべきだ」と話した。

 「今を逃したら、いつ女性の都知事が誕生するか。遅れている政界に風を吹き込んで」と話したのは、練馬区の主婦(52)。「自民党は女性活躍と言いながら、何でやる気のある小池さんを支援しないのか」と首をかしげた。

 板橋区の自営業竹内紀代子さん(75)も「子育て支援の大切さなんて何十年も言われてきてるのに、うまくいってないのは男性中心の行政だったから。そろそろ東京も女性の知事が出ていいじゃない」と話した。

 

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