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東京都知事選

明日を託せるのは誰 都知事選告示

 東京都の舛添要一前知事の辞職に伴う都知事選が十四日、告示された。三十一日に投開票される。自民党が事実上の分裂選挙となるのに対し、野党側は四党の統一候補が実現。約千三百万人が暮らす首都のかじ取り役の存在感は大きく、選挙結果によっては、安倍政権が進めようとしている改憲やアベノミクスなどに影響を与える可能性もある。有権者の判断が注目される。

◆候補者 第一声

 十四日午後一時現在、いずれも新人の十六人が都選挙管理委員会に立候補を届け出た。主な候補者は届け出順に、ジャーナリストの鳥越俊太郎(76)=民進、共産、社民、生活推薦、前岩手県知事で元総務相の増田寛也(ひろや)(64)=自民、公明、日本のこころ推薦、自民の前衆院議員で元防衛相の小池百合子(64)の各氏ら。

 候補者らは街頭に出て、公約や都政への思いを訴えた。鳥越氏は「安倍政権で格差が広がっている。住んで良し、働いて良し、環境に良し、の『三つの良しの東京』を実現する。舛添前知事は税金を海外出張などで軽々と使い、許せない。私は報道現場を五十一年間歩き、常に地をはって真実を伝えてきた。都の問題を見極める」と主張した。

 増田氏は「私は知事になって何をするのか真剣に考えてきた。人口問題など東京の抱えている問題を外から見ることによって、東京の処方箋をしっかりと描いてきた。今度は実行する責任者として、私の使命感として確実に実行する。世界一の東京を築いていきたい」と述べた。

 小池氏は「組織やしがらみを超えて、都知事選にまい進する。東京を大改革し、都民による都民のための都政へと取り戻したい。都政の透明性を高め、ガバナンス(統治)を明確にする。行政改革で無駄をチェックし、東京五輪・パラリンピックの関連予算も明確にする」と訴えた。

◆都政3つの課題 

 4年間で3代の東京都知事が辞職し、都政の統治が揺らぐ中、信頼回復策をどう示すか。安心できる暮らしの確保、4年後に迫る東京五輪・パラリンピック、電力の大消費地としての原発への向き合い方など、都政の課題は山積している。

 暮らしでは、保育所に入れない待機児童の解消や少子化、高齢者の介護など、差し迫った問題がある。雇用や商工業振興、首都直下地震などの防災対策も急務だ。

 五輪・パラリンピックは開催費用の膨張が確実。都が役割分担の見直しや費用負担の増加にどこまで応じるか、国や大会組織委員会との協議が焦点となる。

 原発を巡っては、九州電力川内(せんだい)原発に続いて四国電力伊方原発が再稼働を予定する。都は東京電力の大株主で、電源の中で、原発や再生可能エネルギーをどう位置付けるかが問われる。

 

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