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東京都知事選

主な候補者の第一声詳報 明日を託せるのは誰?

(上から届け出順)

◆鳥越俊太郎氏

「困ったを希望に変える」引き継ぐ

<公約>

納税者を意識した行政

結婚、育児可能な環境づくり

大介護時代への対応

がんの検診受診率100%

原発はできるだけ減らす

 都民が汗水流して働き、都政運営のため税金を出している。その税金がきちんと使われているか、出した方も受け取った方もあまり意識していない。その典型が舛添要一前都知事の問題なのでは。税金をいいかげんに使った問題が今回の都知事選の出発点ということを忘れないでほしい。

 報道現場をずっと歩き、常にアウトサイダーとして真実は何か見極めてきた。今回はアウトサイダーを気取っているだけでいいのかという気持ちが芽生え、立候補を決意した。都で何が問題か、自分なりに見極めて新しい都政をつくる。そういう仕事をしたい。

 スローガンとして、住んで良し、働いて良し、環境に良しの三つの良しという都を実現したい。

 住んで良し。都にはいろんな能力を持ち、同時にいろんな問題を抱えている方が住んでおられるが、行政がきちんと手を加えれば全国でも一番住みやすい希望の街だ。(立候補を断念した)宇都宮健児さんの「困ったを希望に変える東京へ」は名キャッチコピー。まさにこれだ。これから出てくる私のチラシにこのキャッチコピーが出てくる。

 二番目の働いて良し。最近は安倍政権下で格差が生まれ、非正規で仕事している人が増えている。これは変えていかなければいけない。私が都知事になったら黙っていないでこういう問題があるよ、という声を聞かせてほしい。私の最大の長所は聞く耳を持っているということだ。私が当選すれば、初めて都民に耳を傾ける知事がでてくる。

 三番目に、環境に良し。緑が多く非常にゆったりと暮らしていける素晴らしい環境にしたい。都が環境を悪化させる状況では困る。

 皆さんとともに、皆さんの側に立って戦う。一緒に新しい東京をつくっていこう。 (新宿駅東南口)

<とりごえ・しゅんたろう> 福岡県出身。京大卒。毎日新聞社に入社。テヘラン特派員、サンデー毎日編集長をへて、退社後は「ザ・スクープ」など報道番組のキャスターやコメンテーター、関西大教授を務めた。桶川女子大生ストーカー殺人事件の報道で日本記者クラブ賞を受賞。「報道は欠陥商品と疑え」など著書多数。がんを患い、がんに関する著書もある。趣味は車の運転、歌うこと、映画。76歳。

◆増田寛也氏 

五輪後のグランドデザイン描く

<公約>

8千人の待機児童を早期解消

首都圏全体で介護体制を構築

首都直下地震への防災力強化

2020年東京五輪を成功に導く

五輪以降の東京の発展に道筋

 都政の混乱に終止符を打たなければならない。

 今、都政には課題が山積している。まず私は都が抱えている三つの不安を解消する。一つ目は子育てに対する不安の解消。待機児童八千人。実際はもっと多い。私は知事に就任して一カ月以内に待機児童解消の地域別のプログラムを作る。

 二つ目は高齢化に対する不安の解消。十年以内に七十五歳以上の方は五十万人増える。高齢化の対応をきっちりと進める。

 三つ目は災害に対する不安の解消。首都直下地震はいつ起こるか分からない。ハード面でもソフト面でも災害に強い東京にする。

 一方で、二〇二〇年五輪・パラリンピックの準備が今、遅れている。五輪の準備を急ぐ。都民の負担を最小限にし、夢のある五輪の実現に努める。東京には世界中から大勢の観光客が来る。おもてなしをもっとよくし、ハードのイベントを高めればまだまだ来る。女性の活躍も重要。都庁の中でも私は幹部職員に女性を登用し、女性の意見を都庁の政策の中にしっかりと反映したい。

 そして、二〇二〇年以降の東京のしっかりとしたグランドデザインを描く。五輪は一つの通過点。その後の東京に五輪のエネルギーをどのように伝えていくのか。やるべきことはいっぱいある。

 私は知事になることが目的じゃありません。知事になって何をするのかを真剣に考えてきた。人口問題しかり、東京の抱えている問題を外から見ることによって、東京の処方箋をしっかりと描いてきた。

 東京生まれ、東京育ち。今度は実行する責任者として、私の使命感として確実に実行していく。そして都民に約束したことをお返しすることで、世界一の東京を築いていきたい。 (千代田区隼町)

<ますだ・ひろや> 東京都出身。東大卒。旧建設省の官僚から、当時の小沢一郎・新進党幹事長に推され、1995年に岩手県知事に当選。3期12年務め、改革派知事として地方分権の旗を振った。2007年、当時の安倍晋三首相に請われて第1次安倍内閣で総務相に就任。14年、消滅する可能性のある自治体名を公表し、東京一極集中に警鐘を鳴らすリポートを発表した。趣味はサイクリング、乗馬。64歳。

◆小池百合子氏

誰もが生き生き暮らせる東京に

<公約>

都政の透明化

五輪関連予算・運営の適正化

行財政改革の推進

都知事報酬の削減

特区制度の徹底活用

 参院と衆院で二十四年間働いた国政を離れ、組織やしがらみを超えて都知事選にまい進する。四年間に三人の知事が代わり、さまざまな問題が起こった。二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを迎える今だからこそ、東京を大改革し、未来の東京を都民の手で都民のための都政へと取り戻す。

 都政をもっと見える化する。透明性を高める。ガバナンスを明確にする。たった一握りの人が、いつ、どこで、何を決めているか分からないような都政をやめていく。五輪関連予算もしっかりと見ていく。都民一人一人が納得してこそ、真の成功がある。

 誰もが生き生きと暮らせる東京を実現したい。子育てか仕事か選ばなければならない、そんなことをやっているのは日本だけ。女性の観点から、みんなが納得し、安心できる東京にしていく。介護や育児に必要な場所は都の遊休地を活用する。韓国学校に都有地を貸すのでなく、地域のニーズに応えるのを優先する。

 首都直下型地震に備え、木密(木造住宅密集)地域をより安全にする。災害時に救助の妨げにならないよう、無電柱化も進める。乳児のための液体ミルクも日本で製造できるようにしたい。こうしたこまやかな心遣いが都民の心をつかみ「東京で働きたい、子育てをしたい」という人が増えると思う。

 アベノミクスのもたついている部分を東京で先に実現し、日本全体を引っ張っていきたい。日本経済の成長エンジンとしての東京は、国際的な地位が低下している。もう一度、引っ張り上げたい。地域のみなさんが頑張ってこそ、東京は盛り上がる。みなさんが「一緒にやってやるぞ」という気持ちになる政策を選挙戦で示す。ぜひ、ともに大きなオーケストラにしていこう。 (池袋駅西口)

<こいけ・ゆりこ> 兵庫県出身。カイロ大卒。アラビア語通訳、経済ニュース番組キャスターを経て1992年、当時の日本新党から参院選に初当選。翌93年から衆院議員となり、8期連続当選。2002年に自民党入党。03年に当時の小泉純一郎首相に請われて環境相、07年には第1次安倍内閣で女性初の防衛相を務めた。環境相時代は夏の軽装「クールビズ」を広めた。座右の銘は「備えよ常に」。64歳。

◆中川暢三(ちょうぞう)氏

日本一開かれた都政を実現

 私は行政だけでなく、民間企業に20年以上勤め、東京のまちづくりに関わってきた。現場を知っているからこそ大きな改革ができる。官民での経験を生かし、都政を立て直す。都民一人あたり年間2万円の減税や固定資産税の1割減税を目指すほか、都議の在職定年制を設け、知事給与も半減させる。これまでの行政の常識を変え、日本一開かれた都政を実現したい。 (新宿区新宿)

◆山口敏夫氏

五輪を優先する行政は問題

 都民にとって一番大事な問題は、2020年東京五輪・パラリンピックの諸事業が、都民生活を大いに脅かしていることだ。そのことを理解してもらうために立候補した。待機児童対策や特別養護老人ホームの不足など、課題は山積。都民、国民の命に関わる原発の問題も先が見えていない。これらが放り出されたままだ。五輪を優先する行政のあり方は問題だ。 (新宿駅西口)

 

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