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東京都知事選

事務所にも戦略あり 都庁・新宿区設置は1人

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 過去最多の二十一人が立候補した東京都知事選(三十一日投開票)。主要三候補の選挙事務所について取材すると、立地にそれぞれの戦略が浮かび上がる。 (都知事選取材班)

 告示二日前に出馬表明したジャーナリスト、鳥越俊太郎さん(76)の事務所があるのは、港区南青山のビル二階。十日の参院選で当選した、民進党の蓮舫さんが事務所に使った場所だ。鳥越陣営は「どこがいいとか言っている時間はない。手っ取り早く使えるところを押さえた」と明かす。

 広さは蓮舫さんが使った際の三倍のスペースを借りる。鳥越さんを推薦する民進、共産、社民、生活の野党四党の議員秘書らが“同居”するためだ。あるスタッフは「誰が何をやっているかまだ分からないが、急いで体制を整えたい」。

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 自民と公明、日本のこころが推薦する元総務相の増田寛也(ひろや)さん(64)の事務所は、永田町に近い千代田区隼町に設置された。自民党本部からは約五百メートルの距離で、新宿区の公明党本部からも車で約七分。増田さんを支援する各種団体の事務所も近く、支援者が集まりやすいという。

 組織選挙を象徴するように、事務所内は壁いっぱいに、ため書きと呼ばれる「祈必勝」のメッセージがずらり。陣営は「岩手県知事や総務相を務めた経験から、ほかの現職知事や区市町村長からも激励が届く」と強調した。

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 東京10区(豊島区、練馬区の一部)選出の自民党衆院議員だった元防衛相の小池百合子さん(64)は、地元・池袋のビルに事務所を開設した。「衆院時代にこの事務所で勝ってきたから縁起がいいし、池袋の真ん中で多くの人の目に触れる抜群の立地でもある。広さもちょうどいい」と陣営幹部は語る。

 スタッフの間では、事務所に集まるよう連絡をする場合にも、ビル名の「のとや」にちなんで「のとや集合」と言うだけで伝わるくらいに定着。「今回もここに構えたのは自然の流れ」という。

 都選管によると、立候補した二十一人のうち選挙事務所の設置を届け出たのは十三人。このうち、元労相の山口敏夫さん(75)は永田町、前兵庫県加西市長の中川暢三(ちょうぞう)さん(60)は新宿に事務所を構えた。都庁のある新宿区に事務所を置いたのは中川さん一人だけという。

 

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