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東京都知事選

<都知事そもそも> (1)どんな仕事してるの?

新たな主を待つ都知事執務室の「椅子」

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 過去五年間で四度目の東京都知事選が告示された。都知事の仕事や権限は知っているようで、知らないことも多い。投票の前に、都知事についてそもそも知っておきたいことをまとめた。

 国の基準より厳しいディーゼル車の排ガス規制、高齢者医療費の無料化、歩行者天国の発案…。歴代の東京都知事が行ってきた施策はさまざまだ。国政が担うべきテーマで、都が先鞭(せんべん)をつけた例も少なくない。

 都知事は都民千三百万人を代表し、都の政策立案、予算編成と執行、教育委員や公安委員など行政委員の任命、職員採用、異動といった人事権を握る最高責任者だ。都の職員数は教員や警視庁の警察官、東京消防庁の消防官などを含めると約十七万人。防衛省・自衛隊の約二十三万人に次ぐ巨大官僚組織の頂点に立つ。

 特別職の地方公務員で、常勤義務はなく、自分の裁量で働く時間を決められる。石原慎太郎知事(在任一九九九〜二〇一二年)は、登庁が週二、三日程度のことも多かった。その代わり、勤務時間や休日も決まっておらず、災害発生時などに、どれだけ働いても超過勤務手当は支給されない。

 海外の主要都市と交流を深める「都市外交」も、大事な仕事と位置付けられている。ソウル、北京、ニューヨークなど十二都市と姉妹友好都市関係を結び、都には外交方針の企画立案を受け持つ「外務長」という局長級ポストがある。

 十六年間、都職員を務めた佐々木信夫中央大学教授(行政学)は「政治家、経営者、外交官という三つの顔を持つのが都知事。国と渡り合う政治力が必要だ。今後は少子高齢化が進んで財政状況の悪化が予想されるので、行政改革の手腕も求められる」と指摘する。

 

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