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東京都知事選

<明日を託せるのは誰> (1)人生の原点

 首都東京のかじ取り役を決める都知事選。主要候補者3人は、どんな信条を胸に抱き、どのような生き方をしてきたのか。候補者への取材や著書などを基に、人物像から政策論まで紹介します。初回は、人生の原点です。

(届け出順) 

◆50日間住み込み取材

 鳥越俊太郎氏(76) 二十五歳で毎日新聞に入って以来、報道一筋。最初から記者を目指したわけでなく、京都大で史学を学び、七年もいたら他に入る所がなかったという。「窓際を歩み、三十代半ばを過ぎて、記者は社会にとって意味があると気付いた」。一番の記憶は三十六歳の時、ロッキード事件で逮捕後の田中角栄元首相の選挙取材。反対する上司を説得し、新潟に五十日間も住み込んだ。見て聞いて、肌で感じて伝える。「唯一誇れるのは現場を歩き続けたことだ」

◆寡黙な父 克明なメモ

 増田寛也氏(64) 「人生に一番影響を与えたのは父の背中」。父増田盛(さかり)さんは農林省(当時)の官僚から参院議員になった。父の死後、机の中から、農家一軒一軒の状況が克明に書かれたメモが見つかった。寡黙だったが、現場を見ることと、お互いが良くなるための関係づくりの大切さを、語らずとも伝えてくれた。一九九五年、自身も建設省(当時)から岩手県知事に転身。「選挙は半分は敵をつくること。覚悟を持って飛び込む」。それも、父が教えてくれたことの一つだ。

◆19歳で海外留学挑戦

 小池百合子氏(64) 高校二年の夏、アポロ11号の月面着陸をテレビで見て、同時通訳のレベルの高さに衝撃を受けた。得意の英語だけで生計を立てるのは難しいと、他言語への挑戦を決意。十九歳で大学を中退し、エジプトのカイロ大に単身留学した。「辞書を引けるようになるのに三カ月かかる」というアラビア語を身につけ、中東・アラブ文化が世界を見る目を広げてくれた。「いつも崖から飛び降りる。多少のリスクは甘んじ、それをパワーにして挑戦するのは癖(へき)ですかね」

 

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