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東京都知事選

<都政3つの課題 主要候補の政策は>(上) 待機児童の解消策

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 東京をより住みやすく、活力ある街に−。東京都知事選で一票を投じる千百万人有権者の願いだ。山積する課題の中で、多くの人々の関心を集めるテーマが「くらし」「東京五輪・パラリンピック」「原発とエネルギー」。主要候補者三人の公約や発言などをもとに、政策を分析する。初回は「くらし」から。 (都政取材班)

 都内で働きながら子育てしようとするとき、大きな難関となるのが保育所への入所だ。申し込んでも入れない待機児童は都内で約八千人に上り、全国の三分の一を占める。都や市区町村が保育施設整備に取り組んできたが、一向に減らない。

 都内では子どもの人数が増え、保育所の利用を希望する割合も上昇しており、ニーズの伸びに施設整備が追いつかない。三候補者とも待機児童問題をなくすと訴えるが、解決方法や考え方には違いが見える。

◆鳥越さん 不急事業の予算回す

 鳥越俊太郎さん(76)は、三つ折りにすると名刺大になる小さな選挙ビラに、主要政策の一つとして「待機児童の解消」を記した。

 問題が解決しないのは「莫大(ばくだい)な予算がかかるため」と推測し、緊急でない公共事業は後回しにして予算を待機児童対策に充てる提案をしている。

 子どもを産み育てにくい状態が続けば、ますます少子高齢化が進む危機感を訴える。一人の女性が生涯で産む子どもの平均数を表す「合計特殊出生率」が、東京は一・一七と全国最低となっていることに触れ「将来から押し寄せる不安を象徴する数字」などと発言した。

◆増田さん 地域別計画1カ月で

 増田寛也(ひろや)さん(64)も「日本全体の人口を下げているのは東京」「出生率の低下、子育ての問題を本気で解決しなければいけない」と全国的な人口減への懸念を語り、待機児童解消を公約の一番目に掲げている。

 選挙戦の第一声では、当選したら就任後一カ月以内に待機児童をなくす地域別プログラムを作り、予算も補正を組んで増額すると約束した。「国や区市町村と連携」を強調し、多くの首長らの支持を得た与党推薦候補の強みをアピールしている。

 近くの保育所に入れなくても、遠くの保育所にバス送迎するなど、具体的な提案もしている。

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◆小池さん 保育所増へ規制緩和

 小池百合子さん(64)は「待機児童ゼロ」を目標に掲げ、女性や男性、子どもなどが生き生きと暮らせる「ダイバーシティー(多様性)」のある社会づくりのための政策に位置付ける。「男目線(の政治)」を変えて改善すれば「さらに働く意欲のある人が出てくる」と女性の活躍への効果を強調している。

 保育所が増えにくいのは「規制がありすぎるため」として規制緩和を主張。広さの基準などの見直しを公約に入れている。新宿区内の都立高校跡地について舛添要一前都知事が韓国人学校に貸与する方針としてきたのを撤回し、保育と介護を合わせた施設にするとしている。

◆きょうの主な演説日程 

 ▼鳥越俊太郎さん 午前11時 町田駅北口まほろデッキ▽午後3時 吉祥寺駅北口

 ▼増田寛也さん 午前8時 西武池袋線東久留米駅西口▽同9時30分 清瀬駅北口▽午後1時 JR立川駅南口▽同2時30分 JR昭島駅北口▽同3時30分 満留寿前▽同5時 京王聖蹟桜ケ丘駅▽同7時40分 町田109前

 ▼小池百合子さん 午前10時30分 後楽園ラクーア前▽同11時 ウインズ後楽園前▽午後1時 JR秋葉原駅電気街口前▽同3時 浅草雷門前▽同4時30分 砂町銀座商店街入口▽同6時 ららぽーと豊洲前

 ※届け出順。陣営発表(16日午後10時30分現在)。変更の可能性があります。

 

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