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東京都知事選

<明日を託せるのは誰> (2)両親

(届け出順)

◆弔辞で知った父の心

 鳥越俊太郎氏(76) 著書「がん患者」によると、父俊雄さんは終戦間際に軍隊に召集され、中国大陸で戦った。神経が繊細で、「私はそんな弱い父が嫌いだった」とある。俊雄さんは晩年、鳥越氏の故郷の福岡で心身障害者支援に乗り出し、共同作業所の理事長を務めた。その葬儀には障害者らが参列し、懸命に弔辞を読んだ。「お父さんは自分の心の弱さを自覚していたからこそ、常に弱者の立場でモノを考え、行動してきたのか」と、すべてが氷解する思いがしたという。

◆知事転身 反対した母

 増田寛也氏(64) 東京都世田谷区で生まれ育ち、多摩川によく遊びに行った。父盛(さかり)さんは一九六三年、農林省(当時)の官僚から故郷の岩手県知事選に挑戦したが、落選。衆院選にも挑んだが当選できず、参院議員になるまで五年間の浪人生活を送った。増田氏が九五年に岩手県知事選に出馬する際、政治家の妻として父を支えた母京子さんは猛反対した。「父が選挙で苦労したのを見てきたからでしょう」。京子さんは息子の知事就任を見届け、十カ月後に他界した。

◆父の口癖「日本とは…」

 小池百合子氏(64) 故郷は兵庫県芦屋市。父勇二郎さんは元海軍中尉で、石油取引などの貿易会社を経営していた。著名女性らの随筆集「妹たちへ2」収録の文章によると、勇二郎さんは「いいか、日本という国はな…」「日本のアキレス腱(けん)は石油だ」と、いつも国際情勢や日本論を説いていた。母恵美子さんは、小池氏のエジプト留学に真っ先に賛成し、六十歳を過ぎてカイロに日本料理店を開業。約二十年続けた。「人生は自分で切り開くもの」「道を極めなさい」。母の言葉だ。

 主要3候補の発言や著書などから構成しています。

 

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