東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 東京都知事選2016 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

東京都知事選

候補者ルポ(上)

街頭演説を聞きに訪れた人と記念撮影をする鳥越俊太郎さん(左)=豊島区のJR池袋駅東口で

写真

 過去最多の21人が立候補した都知事選では、真夏の太陽の下、候補者たちが支持を求めて都内各地を駆け回っている。主要候補3人の活動を追った。(掲載は届け出順)

◆都政刷新 熱く語る 鳥越俊太郎さん(76)無新=民共社生

 「都民のために、税金の使い方をただしていく。何としてもこの選挙を勝つ」。十五日午後一時すぎ、港区の選挙事務所に姿を見せたジャーナリストの鳥越俊太郎さん(76)は選挙スタッフと握手を交わした後、こう声を張り上げた。スタッフ激励のための初めての事務所入りだったが、直後に政見放送の収録を控えており、すぐにその場を後にした。

 鳥越さんが野党四党の都知事選統一候補に選ばれ、正式に出馬表明したのは告示二日前の十二日。このため、事務所は急ごしらえで間に合わせ、ポスターの掲示も十五日になってようやく終えた。だが、数千枚を用意した名刺サイズの選挙用チラシは告示日にほぼ配りきり、追加が思うように届かない。陣営のドタバタぶりがうかがえる。

 ボランティアとして、事務所に控えるスタッフもまだ数人。「あまりに人が少なく、急きょ手伝いに入った」と話すのは、鳥越さんと旧知のさいたま市議、高野秀樹さん(55)。事務所には八台の電話機を設置したが、「激励にも、問い合わせにも対応しきれず、ただ申し訳ないと繰り返すばかり」と苦笑する。支援政党が短文投稿サイト「ツイッター」などで呼び掛け、徐々にボランティアは集まるが、「まずは受け入れ態勢をつくらないと」。

 その約六時間後の午後七時、豊島区のJR池袋駅前。「野党と市民が一緒になって鳥越さんを都知事に」と地元選出の都議や区議が呼び掛ける中、鳥越さんが到着。選挙カーの上に立って「みんなの手に都政を取り戻そう」と熱っぽく語る鳥越さんに、集まった人たちからは大きな拍手が沸き起こり、「トリゴエ」コールが響き渡った。

 演説を聴いていた墨田区のアルバイト西浦共子さん(58)は「これまでずっと弱者に目を向けて税金を使う都政になっていなかった。鳥越さんなら、都民一人一人の声にしっかり耳を傾けてくれるのでは」と、停滞する都政の刷新に期待を込めた。鳥越さんは記念撮影を求める若者らとも固い握手を交わし、支援を呼び掛けた。 (神野光伸)

 

この記事を印刷する