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東京都知事選

<都政3つの課題 主要候補の政策は>(中) 膨張する大会費用

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの開催費用は、当初の七千三百億円から二兆〜三兆円へ大幅に膨らむとの見通しを、大会組織委員会の森喜朗会長や舛添要一前都知事が語ってきた。だが、その詳細な中身や根拠は示していない。

 組織委が民間から集める資金は五千億円程度とみられ、残る一兆五千億〜二兆五千億円は都民らの税負担となる可能性がある。資材や人件費の値上がり、競技追加に伴う費用増が見込まれる上、組織委が担当する仮設施設の関連費用を都が負担するなど、出費は増加の一途。三候補者はいずれも費用抑制を目指す立場から、四年後への青写真を描いている。

◆鳥越さん 徹底したコスト縮減

 鳥越俊太郎さん(76)は「コンパクトでスモールな五輪・パラリンピックをやる。世界に誇るものにしたい」と討論番組で表明。国や組織委に対し「場合によってノーと言うこともあり得る。話が違うじゃないかということは、言わないといけない」と述べた。

 報道番組では「私たちは積算の経緯を知らされていない」と問題視。「都民に情報をきちっと公開して、それに基づいて判断をするというのが政治の原則」と述べ、よく分からないまま費用が膨らむ構図自体が問題だと訴えた。

◆増田さん 「簡素」「復興」を重視

 増田寛也(ひろや)さん(64)は「全体の費用負担の問題をはじめ、まだ十分に明らかになっていないところを早急に詰める」と区長会で説明。「都民の負担を最小限にしつつ、簡素で、(東日本大震災からの)復興五輪という原点に戻って、完成に急いでいく」と話した。

 報道番組でも「復興という性格が薄れてきているのではないか」と指摘。街頭では「準備が大変遅れている。私はとても心配」と述べ、国や組織委とよく協議して「感動を世界にきちんとお届けしなければならない」と訴えた。

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◆小池さん 積算根拠を情報開示

 五輪関連予算・運営の適正化を訴える小池百合子さん(64)は費用の膨張について、都庁前で「納得して都民の税金を使ってやれますか。私はできません」と主張。「どういうルールでやってきたのか洗い直し、都民が納得できるクリアな五輪にしたい」と述べた。

 報道番組では「積算根拠も知らされていない」「招致できた最大の理由はコンパクトというキーワードにあったはずなので、多くの国民、都民は話が違うじゃないかと(思っている)」と訴え、「情報を開示していく」と話した。

◆きょうの主な演説日程

▼鳥越俊太郎さん 午後1時:巣鴨地蔵通り商店街 ▽同4時:渋谷駅ハチ公前

▼増田寛也さん 午前11時45分:ららぽーと豊洲 ▽午後3時:銀座三越前 ▽同4時30分:JR新宿駅西口

▼小池百合子さん 午前10時:JR新宿駅西口 ▽同11時:新宿駅東南口下 ▽午後3時:JR恵比寿駅東口 ▽同4時:JR目黒駅東口 ▽同5時:JR品川駅高輪口

※届け出順。陣営発表(17日午後9時30分現在)。変更の可能性があります。

 

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