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東京都知事選

<都政3つの課題 主要候補の政策は>(下) 首都の電気 どう賄う?

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 東京都は東京電力株の1・2%を持つ四位の大株主(三月現在)だ。福島第一原発事故の翌年の二〇一二年、市民団体が原発稼働の是非を都民投票で問おうと、三十二万人分の署名を集めた。当時の石原慎太郎知事は投票に否定的で、都議会も投票実施条例案を否決した。

 一四年の前回都知事選では細川護熙元首相が脱原発を掲げて立候補し、首都の争点としてクローズアップされた。再生可能エネルギーの拡大も課題で、都によると一四年度の都内の電力消費量のうち、太陽光やバイオマス、水力発電などの再生エネで賄われたのは8・7%。都は、二四年までに20%、三〇年までに30%に引き上げる計画を今春に発表している。

◆鳥越さん 再生エネで脱原発

 鳥越俊太郎さん(76)は十八日の街頭演説で、環境政策として「私は脱原発を言いたい」と説明。都が率先して再生エネを導入することで「原発はできるだけゼロにする」と訴え、選挙公約には太陽光、バイオマス発電などの普及に取り組むと記している。

 「安倍(晋三)首相は五輪招致演説で、汚染水問題を『アンダーコントロール』(制御下にある)とうそをついた」とも主張。原発を「人の手に負えないもの」と位置づけ「いっぺんにすぐ原発をなくすのは難しい。できる限り早く原発依存をやめていく」と語る。

◆増田さん 今は再稼働が必要

 増田寛也(ひろや)さん(64)は、第一声で「自然エネルギーをもっと活用して、循環型社会、環境都市に東京を切り替えていく」と語った。別の記者会見では「国として全力を挙げて原発依存度を低減していく必要がある」と説明する一方、「安全性が確認された原発の稼働は、今は認めていくべきだ」とも語った。

 二〇一四年六月〜今年七月、東電の社外取締役を務めた。その経緯をウェブサイトでQ&A方式で説明し「第三者の視点から東電改革を進めるため、被災地の首長経験者として就任した」としている。

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◆小池さん LED促進し節電

 元環境相の小池百合子さん(64)は、再生エネの活用や省エネを進めるエコハウス・スマートハウスへの補助強化や、省エネ効果のあるLEDの導入促進を選挙公約に盛り込んだ。選挙戦二日目の十五日には八丈島を訪れ、地熱発電所を視察した。

 原発に関しては記者会見で「安全性の確保が第一」と述べた。すべての照明器具をLEDにすると、十三基の原発に匹敵するとのシンクタンクの試算も引用し、「身近なところで都民一人ひとりに協力を求める」と主張。蓄電の技術開発を支援する考えも示した。

◆きょうの主な演説予定

▼鳥越俊太郎さん 午後5時:品川駅港南口 ▽同6時30分:蒲田駅西口

▼増田寛也さん 午前8時:秋津駅南口 ▽同9時30分:イトーヨーカドー東久留米店前 ▽同10時30分:東村山駅東口 ▽同11時30分:ヤオコー東大和店前 ▽午後1時10分:ミニストップ武蔵村山学園店 ▽同3時:フロム中武前 ▽同3時30分:高島屋立川店 ▽同4時:JR立川駅北口デッキ

▼小池百合子さん 午前8時:JR新橋駅SL広場 ▽同10時:JR浜松町駅北口 ▽同11時:JR田町駅西口TSUTAYA前 ▽正午:JR五反田駅東口 ▽午後3時:イオン板橋店前 ▽同4時:ハッピーロード大山商店街 ▽同6時:JR赤羽駅東口 ▽同7時30分:JR王子駅北口

※届け出順。陣営発表(19日午後9時30分現在)。変更の可能性があります。

 

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