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東京都知事選

組織に頼らない戦い

 夏の太陽のもと、過去最多の新人21人がしのぎを削る都知事選。注目される主要3候補のほかにも、大きな組織に頼らず、独自の戦いを展開する候補者たちがいる。彼らが何を訴えているのかを取材した。 (奥野斐、石原真樹、上から届け出順)

◆予算の使い方変えよう 山口敏夫さん(75)諸新

 平日の午後、新宿駅西口の小田急百貨店前。元衆院議員で元労相の山口敏夫さん(75)がジャージー姿で選挙カーに立った。二〇二〇年東京五輪について「十兆円もかかるといわれるが、いいのか。都民の血税を無駄遣いさせない」と、大きな身ぶり手ぶりで独自の主張を展開した。

 舛添要一前知事の疑惑を誰も追及しない現状を憂い、都庁に近いこの場所でほぼ毎日演説を繰り返す。「待機児童や特別養護老人ホーム不足の問題が解決しないのは他に予算が使われているから」と訴えた。

 演説を聞いた江東区の男性会社役員(60)は「政界の牛若丸」と呼ばれた、かつての山口さんに触れ「一つでも政策を実行してもらいたい」と期待した。

◆都政取材の経験前面に 上杉隆さん(48)無新

 ある夕方、中央区日本橋人形町の交差点。ビールケースに立ったジャーナリストの上杉隆さん(48)は「東京の問題点はよくわかっている」と、都政取材の経験をアピールした。

 選挙カーはなく、マイクとスピーカーのみ。「都の地方法人税の地方再配分を凍結し、保育所や特別養護老人ホームの待機問題の財源にあてる」と訴えた。前神奈川県知事の松沢成文参院議員が「彼にはお金も支援政党もないが、政策がある」と応援演説した。

 フォロワー約三十二万人のツイッターやインターネット中継でも活動する。選対事務局長の千葉偉才也(いざや)さん(31)は「街角での有権者とのやりとりも重視する。双方向がキーワード」と説明した。

◆都業務の効率化を主張 中川暢三さん(60)無新

 「都の持つ権限、予算、人材を市区町村に移す。都の行政を効率化する」。前兵庫県加西市長の中川暢三さん(60)は平日の夕方、千代田区の日比谷公園前で街頭演説した。

 電車や徒歩で移動し、選挙カーを使わない「お金をかけない選挙」を実践。この日も、自身のポスターを二枚貼ったボードを抱え、新橋駅から歩いた。演説前、近づいてきた男性にポスターに書いた政策を説明し「いいね、頑張ってよ」と声をかけられた。

 「都の業務の生産性を上げ、減税し、都民の負担を軽減する」と話し、「減税一人二万円」と掲げる。建設会社で次長を務めたことから「官民の経験がある私には政策と実行力と実績がある」と力を込めた。

 

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