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東京都知事選

選挙戦 夏休み中だけど 18歳、関心もって投票GO!

 三十一日投開票の東京都知事選では、国政選挙で初めて「十八歳選挙権」を適用した参院選に続いて十八、十九歳の投票率が注目される。ただ高校や大学の夏休みと重なることに加え、選挙期間中の啓発が不十分との指摘もあり、見通しは不透明。主権者教育に取り組んできた学校関係者からは多くの若者が投票に行くことを期待する声が上がる。

 「告示が夏休み直前だったので、都知事選についての授業ができなかった」。長く主権者教育に携わってきた都立高校の社会科教諭は残念がる。参院選前には、消費税や環太平洋連携協定(TPP)をテーマに討論する授業や模擬選挙を実施。新有権者となった生徒の多くが「投票に行った」と話すなど、取り組みの手応えを感じたという。

 教諭がいる高校では十四日の告示後、連休を挟んで二十日が終業式だったため、授業時間がほとんど取れなかった。「候補者の政策をまとめた新聞記事を配って主張を比較する授業をしたかった。身近な都政の課題なら、生徒の関心もより高まったはずだ」と振り返る。

 東京都選挙管理委員会の担当者も「参院選の投開票の直後に都知事選に突入したので『十八歳選挙権』に絞った啓発は十分にできていない」と明かす。学校現場で主権者教育を支援している「模擬選挙推進ネットワーク」の事務局長で東洋大の林大介助教は「旅行やイベントの予定がある学生も多い。投票に行ってくれるだろうか」と気をもむ。

 総務省の抽出調査によると、参院選で東京都の十八歳の投票率は60・53%となり、全国平均を約9ポイント上回った。大学生や専門学校生が多くなる十九歳でも東京都は41・44%で、こちらも全国平均よりは高かった。

 教諭は、参院選で政治参加を初めて経験したことの流れを受けて都知事選でも投票に行く若者は多いとみる。「若者の選挙に対する意識は着実に根付いていると信じている」と強調した。

<18歳選挙権> 2015年6月、改正公職選挙法が成立し、選挙権年齢が20歳以上から18歳に引き下げられた。国政選挙では、ことし7月10日に行われた参院選から適用され、18、19歳の約240万人が新たに有権者に加わった。総務省が発表した抽出調査によると、参院選での18歳の投票率は51.17%、19歳は39.66%で、ともに全体の投票率54.70%を下回った。

 

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