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東京都知事選

都政の旧弊打破 小池氏への共感呼ぶ

 東京都知事選で、小池百合子氏の当選を後押ししたのは、初の女性都知事という新しさに加え、都議会の重鎮らが都政の意思決定に影響力を持つ旧弊を打破してほしいという共感の広がりだ。かつて「自民党をぶっ壊す」と語って支持を集めた小泉純一郎元首相をほうふつとさせる選挙戦術で、増田寛也氏を推した自民党の支持層も取り込んだ。

 小池氏は前自民党衆院議員でありながら、党都連や都議会による決め方の不透明さを批判。都議会の冒頭解散や利権追及チームの設置などを打ち出して、対決姿勢を演出した。

 選挙戦では、緑をシンボルカラーに「都知事を決めるのは組織や政党ではなく、都民の一票だ」と訴え、支援者との一体感を醸し出した。当たり前のフレーズでありながら、有権者に共感を呼んだのは、既成政党の事情を優先した候補者選びが違和感を抱かせたからだろう。

 自民、公明両党などが推薦した増田氏は「混迷に終止符」を掲げたが、都政の安定を語れば語るほど、「改革派」対「守旧派」の構図を際立たせる皮肉な結果に。野党四党が統一候補として支援した鳥越俊太郎氏は、準備不足が否めなかった。 (石川修巳)

 

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