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東京都知事選

新知事へ期待込め一票 各投票所で有権者に聞く

都知事選で投票する親子連れ=渋谷区で

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 暮らしの課題が山積するなか「政治とカネ」の問題で都知事が二代続けて辞任する異例の事態を受けた三十一日投開票の選挙は、元防衛相の小池百合子さん(64)が初当選した。新たな首都のリーダーに望むことを、各地の投票所で聞いた。

 「もうトラブルはうんざり。次の知事は真面目に仕事に取り組んでほしい」。葛飾区の主婦、田中文子さん(79)は「都のリーダーが私利私欲に走るなんて許せない」と、候補者のクリーンさと誠実性を重視して投票した。自らは年金暮らし。「都民の税金を大切に扱い、本当に必要な事業に使ってほしい」と願った。

 八王子市の会社員松田敏彦さん(49)も「新しい知事には、お金のかからない政治をしてほしい」と強調した。政治資金の使途の透明化を求めた。「知事の仕事をするのにお金が必要なのは分かるが、何にお金が使われたのか、よく分かる説明をしてほしい」

 北区の会社役員、八田(はった)正人さん(67)は介護の充実を望んだ。「自分くらいの年齢になると、高齢者の介護のことがとても気になる。施設の充実や介護士の待遇改善に取り組んでほしい」。日本で就労を希望する外国人が、介護職に就きやすいようにしたり、孤独死を防ぐために都と市区町村が協力して、高齢者を見守る活動にも力を入れてほしいという。「五輪よりも介護や保育に予算を使ってほしい。子どもからお年寄りまで安心して暮らせる社会に」と願った。

 文京区の教員山元洋さん(40)の関心は教育環境の充実だ。「公立学校で学ぶ小中学生の環境に目を向け、設備を良くしたり、人員配置を手厚くしたりしてほしい」。教員の長時間労働も深刻な問題だと言う。「事態の改善のため部活動は外部の民間企業が請け負う仕組みをつくればいい。新たな雇用も生まれる」と提案した。

 「今から財政を引き締めてもらわないと。今後、景気が悪くなれば税収も落ちるんだから」。世田谷区の会社役員落海(おちうみ)和宏さん(69)は、選挙期間中、都の財政問題について触れる候補者があまりいなかったことが不満だった。「無駄なお金を使っているとこの先まずい。都議や職員の人件費も高いと思う」と話した。

 「開発はいいが、机上の空論で都市をつくるのは困る」と言うのは、江東区の会社員工藤達之さん(44)。「築地市場の移転問題など住民や企業の要望をしっかり聞いて反映していく努力が必要だ」と話した。

 

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