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都議選2017

<知らない議員 8都県チェック>(3)政務活動費 情報公開で「腐敗」防げ

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 「東京都議会 政務活動費の公開度は全国最低レベル」

 昨年八月、地方議会の政務活動費(政活費)を調べている全国市民オンブズマン連絡会議のブログに、こんな文章が載った。政活費の使い道を確認する書類の公開が、他の議会と比べて少ないというのだ。

 政活費は、政策立案や行政監視など政務活動に必要な経費に充てられる。議員独自に行く視察の交通費や宿泊費、会議の際の飲食代など、使える範囲は幅広い。地方自治法に透明性の確保が定められているが、その方法は各議会に委ねられている。

 使い道を確認する書類のうち、議員の支払いを証明する領収書はどの議会でも閲覧できるが、それだけでは、活動の具体的な内容までは見えてこない。

 政活費を使った議員活動を確認するため、首都圏の都県議会では、茨城のように政務活動の成果をまとめた報告書をホームページで公開する議会もあれば、視察の報告書のみ公開する議会もある。ただ、都議会には作成義務すらない。

 都議会は今年二月、議会改革の一環で、条例を改正。非公表だった会計帳簿を公開し、領収書と併せてホームページで閲覧できるようにした。実際に公開されるのは来年夏ごろ。一人当たりの月額も六十万円から五十万円に引き下げた。

 会計帳簿は、いつ、何に、いくら政活費を使ったかを一覧表にしたもの。オンブズマン連絡会議の担当者は「何万枚もある領収書を一枚ずつめくって確かめるのは大変。会計帳簿があれば、『おやっ』と思うものだけ領収書に当たれば済む」と公開の利点を語る。

 首都圏の全都県議会で非公開だったのは、領収書などに記載された支払先の個人名。非公開をいいことに、事務員の給料という名目で自分の家族に政活費を支出するケースもあるという。

 政活費の問題に詳しい清水勉弁護士は「名前を伏せられると確認ができなくなる。お金の使い方をチェックされない人は誰でも腐敗する」と訴える。都内では千代田区や三鷹市、国分寺市など、すでに公開している議会がいくつもある。 (石井紀代美)

 

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