東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 特集・連載 > 都議選2017 > ニュースの記事一覧 > 記事

ここから本文

都議選2017

<小池都政どこへ>(上) 「知事は社長」企業的政党

都議選で勝利を確実とし、笑顔を浮かべる小池百合子都知事と、都民ファーストの会の規約、都議会の議場=コラージュ

写真

 東京都議選は、小池百合子知事率いる「都民ファーストの会」が第一党に躍進し、支持勢力で過半数を獲得した。「都民」はどんな政党で、小池都政はどこに向かうのか。二回に分けて連載する。

 「この地域政党は、企業のような一体的な意思決定に基づく管理、運営を目指す」

 「都民」が都選挙管理委員会に提出した規約の前文には、こんな文言がある。今回当選した「都民」の一人は、規約の意味を「社員が社長に企画を提案する『企業内コンペ(競争)』のようなもの」と説明する。「都民」は選挙中、都議提案の政策関連条例が可決された例は少ないと訴え「古い議会を新しく」と主張した。文言には、党内で政策提案を競うようなイメージが込められているという。

 これまでの都議会の既成政党について、議員それぞれが活動する個人経営型とする一方「うちは同じ組織に知事や特別秘書がいる。社長、専務、複数の取締役がいる大企業型だ」と言う。トップが方針を決めれば一致団結して大きな仕事をするとの自負がにじんだ。

 ただ、地方自治は知事と議員を選挙で別々に選び、緊張関係を保つ「二元代表制」が採用されている。「企業」内でチェック機能が働くのか疑問が残る。

 小池氏は三日、一カ月間の「都民」代表から特別顧問に戻ったが、内部では「社長」と呼ぶ人がいた。この日の記者会見で「さまざまな政党が瓦解(がかい)する理由は、ワンボイス(一つの意見)ではなかったことだ」と述べ、党としての意思統一の必要性を語った。

注 都民ファーストの会は、無所属で当選後、追加公認した6人を含む

写真

 「偉大なるイエスマン」と呼ばれ、小泉純一郎元首相の側近だった元自民党幹事長の武部勤氏は、小池氏が二〇〇八年の自民総裁選に出馬した際に選対総本部長を務めた。

 武部氏は都議選前、本紙の取材に「自民が行き詰まる原因は既得権と硬直感、そして惰性だ。国民は常に変化を求めている」と、都議選の結果を見越すような見解を述べた。小池氏について「基本政策と理念においては自民と共有している」と語った。

 自民と目指す方向に大きな違いはないという「都民」。しかし「企業的な運営」という手法は都議会の自民とは異なるように映る。都は毎年、スウェーデンの国家予算に匹敵する十三兆円を扱うが、都政運営にどう関わるかが問われる。

 都議会は都政の監視機能も期待される。「社員」に当たる都議たちは、知事という「社長」にものを言うことができるのか。具体的な姿はまだ見えない。 (都議選取材班)

 

この記事を印刷する

PR情報