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都議選2017

小池都政と新議会への注文

 東京都議選は小池百合子知事が代表を務めた都民ファーストの会が躍進し、都議会の中心にいた自民党の大敗に終わった。多数与党の立場を確保した小池都政に何を期待し、一新された新議会に何を望むか。識者に聞いた。

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◆議会改革 情報公開を徹底せよ

 早大マニフェスト研究所顧問・北川正恭さん

 今回のように、首長が候補者を立てて知事与党をつくる手法は、首長と議会が対等な緊張関係にあるという地方自治の二元代表制の本筋から外れており、知事と議会のなれ合いを生む恐れがある。選挙が終わった途端に、都民ファーストの会の代表を辞めると言い出した小池氏は鮮やかな転身だ。しかし、都民は都議選で候補者というよりも小池氏に期待して投票したのでは。代表辞任も一つの見識かもしれないが、知事と議会が互いに是々非々の緊張関係を保つには、両者とも情報公開の徹底が欠かせない。 (聞き手・中沢誠)

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◆子育て 規制緩和に一抹の不安

 #保育園に入りたい!キャンペーン発起人・天野妙さん

 保育予算を増やした小池都知事の政策が通りやすくなり、待機児童対策が充実することを期待する。が、そのために規制緩和を進める姿勢には一抹の不安を覚える。多くの保護者が第一に望むことは、国の定める最低基準を満たす認可保育所を増やすことだが、保育事業者側はハードルが高いという。知事は、採光窓がない部屋も保育室に使えるようにするなど規制緩和を進めようとしているが、保護者にとっては許容できないレベルと感じる。事業者だけでなく保護者の声も聞いて政策に反映してほしい。 (聞き手・柏崎智子)

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◆東京五輪 独断許さない監視を

 首都大学東京特任教授(オリンピック研究)・舛本直文さん

 今回選ばれた都議は、任期中の二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの成功だけでなく、大会後の十年、二十年先を見据えた東京のまちづくりをどう考えていくか広い視点が求められる。第一党の都民ファーストの会は大半が新人だが、知事の五輪施策が独断とならないよう監視しないといけない。大会は多額の税金を投入する大イベント。いい大会とレガシー(遺産)を残すため、都議会だけでなく都民もチェックできるように情報公開だけでなく、都民の意見を十分に反映できる仕組みづくりも必要だ。 (聞き手・唐沢裕亮)

 

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