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都議選2017

小池氏、自民と決別 離党届提出、都民ファースト代表就任

都民ファーストの会総決起大会で公認候補者らと記念撮影をする小池百合子都知事(前列中央)=1日、東京都内のホテルで

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 七月二日投開票の東京都議選に向け、東京都の小池百合子知事は一日、自民党に離党届を提出し、自身が率いる地域政党「都民ファーストの会」の代表に就任した。都内で開いた都民ファーストの総決起大会で、「同志とともにしっかりと戦い抜く」と訴え、古巣の自民との対決姿勢を鮮明にした。

 離党届は「総裁・幹事長」あてで、小池氏の秘書が自民本部に届けた。自民は離党届を預かっている状態。

 小池氏は大会で、都議選では自民都連と対決すると強調した一方、都庁での定例記者会見で、安倍政権とは「連携するところはする」とも述べた。

 大会には、選挙協力を結ぶ公明党都本部の高木陽介代表も駆けつけ「新党ブームの風に期待するのではなく、自らの力で次のステップにつなげて」とエールを送った。

◆都知事就任10カ月 行政手腕は

 二日で都議選の投開票まで一カ月、小池百合子知事の就任から十カ月の節目を迎える。小池都政の是非が争点となる都議選を前に、その行政手腕を検証してみた。 (木原育子、榊原智康、内田淳二)

 「話を聞いてくれ、のみ込みは早い」が「何を考えているのか分からない」。複数の都幹部の話を総合すると、そんな都知事像が浮かぶ。進展しない市場問題を前に「石原さん(慎太郎元知事)もそうだったが、突然表明してそこから始まる。いつまで劇場型でやるのかな」と恨み節も。

 周辺に真意を明かさない姿勢は、知事になる前からだ。二十年近い付き合いがある関係者は「直感で決め、熟議するタイプじゃない」と言い切る。

 石原氏とは違いもある。都幹部は「石原さんは当初、側近が多くて民間の友達もブレーンにいた。小池知事は、連れてきた都の顧問と仲がよいという感じではない」とみる。政策重視で選んだブレーンたちが、議論を主導しているのが小池都政の特徴だ。

 その過程を公開することで、直接的な批判は知事より顧問らに向きやすい。例えば、築地市場の再整備案は顧問が公表して議論が沸騰した。関係者によると、小池氏は公表を事前に了承していたが、案への批判は顧問に向いた。

 知事給与半減や働き方改革など「直感」で決められる政策は進んだ一方、市場問題や五輪準備のように関係者との「熟議」が必要な政策は混迷している。都幹部は「知事に泥をかぶるイメージはない。決めることが偏っている印象はある」と話す。

 本紙の調べでは、小池氏は一日までの毎週の定例記者会見で、冒頭の幹事社質問を除き、延べ三百二十九件の質問に応じた。うち市場問題が百十件、五輪が六十四件で、両者で半数を超える。挙手が多くても、一時間以内で自ら打ち切っている。

 北川正恭・元三重県知事は「伏魔殿と言われる巨大な都政を変えるには、ブレーンを生かすしかなかったのでは。都政の問題点を突き、風呂敷を広げたことは評価できるが、たためなくなっている」と指摘する。

 「一年目は過去の問題の洗い出し、将来への布石と種まき」と話す小池氏。都議選で都民の信任を得られなければ、花を咲かせる道は険しくなる。

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