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都議選2017

<都議選 注目区を見る> (上)中野区、武蔵野市

 23日の告示を間近に控え、立候補予定者による前哨戦が激しさを増している。注目選挙区の主な陣営の動きを追った。

◆中野区(三−6) 議長と知事秘蔵っ子が火花

川井重勇69 都議長     自現 =日

高倉良生60 都議会党副幹事長 公現 =都

浦野智美36 (元)中野区議   共新

西沢圭太37 党支部長    民現 =由

荒木千陽35 (元)衆院議員秘書 都新

白柏貴子33 幸福実現党役員 諸新

 十二日にJR中野駅前のロータリーで開かれた中野区選挙区の候補予定者の討論会。立候補を表明している六人全員が参加の予定だったが、都民ファースト新人の荒木千陽(ちはる)さんが、理由を明かさずに欠席した。

 荒木さんは小池百合子知事の秘書を六年務め、四月まで知事の自宅に同居して業務を支えた「秘蔵っ子」。急きょの欠席に、都議会議長で自民現職の川井重勇(しげお)さんは、十五日の街頭演説で「政策の議論から逃げた。小池人気だけで当選しようとしている」と厳しく非難。市場問題の決定に時間がかかる小池都政についても「決められない政治」と追及した。

 「中野区に嫁として骨をうずめたい」。一方の荒木さんは十一日の集会で声を張り上げた。小池知事も応援に駆け付け、四百人収容の会場を埋めた支援者を見て「千陽はすごい」と持ち上げた。荒木さんは「私が知事を都議会で支える。イエスマンではなく、知事に進言もする」と話し、中野駅前再開発などの課題を円滑に進めると主張した。

 中野区は今回、定数が四から三に減り、激戦区に。「議長対秘蔵っ子」の構図を崩そうと割って入る他の候補予定者にも力が入る。

 「二元代表制の理念に反するのではないかという違和感がある」。民進現職の西沢圭太さんは、荒木さんと知事の関係をけん制する。「私は八年前から都が伏魔殿だと言い、事業評価に関する質問は最も多い」。改革を進める小池知事の姿勢に共感しながらも「是々非々で臨めるのは自分だ」と荒木さんとの違いを強調する。

 公明現職の高倉良生さんも「議員報酬二割カットを実現させ、知事と歩を合わせ改革を進めてきた」と改革の実績を前面に出す。共産新人の浦野智美さんは「暮らしの切り捨てを許さない。チェック機能を果たす」。諸派新人の白柏貴子さんは保育充実を訴えている。 (皆川剛)

◆武蔵野市(一−3) 代理戦争一変 「都民」も参戦

島崎義司51 (元)武蔵野市議長 自現 =日

松下玲子46 党支部長    民元 =由

鈴木邦和28 会社役員    都新 =公

 武蔵野市選挙区は、かつて市内に自宅があった民進の菅直人元首相と、市長を六期務めた自民の土屋正忠衆院議員が衆院選東京18区で何度も激突した影響で、これまでは代理戦争の様相を呈していた。だが、今回は都民ファースト新人の鈴木邦和さんの参入により、定数一を巡る対決構図が一変。三つどもえの戦いになりそうだ。

 「第三の勢力は地元に基盤があるわけではなく、小池百合子知事の人気で挑んでくる」と、自民現職の島崎義司さんの支援者は警戒感を隠さない。前回選挙で島崎さんを推薦しながら、今回は鈴木さんを推薦する公明の動向も気になる。「地元での付き合いもある。すべて都民ファーストに流れるとは限らない」とみる。

 警戒するのは、前回僅差で敗れた民進元職の松下玲子さんも同じ。「打倒自民」「打倒都民ファースト」で返り咲きを目指す。前回五千八百票余りを獲得した共産が今回は候補者擁立を見送り、松下さん支持に回る。陣営は「野党共闘を追い風に」と意気込む。

 鈴木さんは十一日、JR武蔵境駅前で小池知事と共に街頭演説に立った。多くの人が集まり、知事の人気の高さをうかがわせたが、本人の知名度不足は明らか。地道な活動を積み重ねる鈴木さんは「都政改革など政策をしっかり訴える」と話す。

 十六日に吉祥寺で開かれた公開討論会で、候補予定者三人が並んだ。最も白熱したのは市場問題。島崎さんが「現実を見据えて豊洲への早期移転を」と訴え、松下さんは「無害化が困難な以上、豊洲ではなく築地の整備を」と主張した。鈴木さんは「安全安心が確認できれば豊洲に移すべきだ」と持論を展開した。 (鈴木貴彦)

◆名簿の見方

 ◆選挙区((1)−(2))

名前 年齢 肩書 (3)(4) =(5)

 (1)は定数、(2)は立候補予定者数、(3)は公認党派、(4)は現職、元職、新人の区分、(5)は推薦。自=自民、公=公明、共=共産、民=民進、都=都民ファーストの会、ネ=生活者ネット、維=日本維新の会、社=社民、由=自由、日=日本のこころ、諸=諸派、無=無所属。掲載順は原則として都議会の党派勢力順。 (名簿は敬称略)

 

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