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都議選2017

<都議選 注目区を見る> (下)台東区、北多摩2

◆台東区(二−4) 保守分裂 公認争いでしこり

和泉浩司60 (元)台東区議長  自現 =日

小柳茂44 党地区役員   共新

保坂真宏43 台東区議    都新 =公

中山寛進45 (元)台東区議   無現 =公都

 十七日夕、上野駅前。都民ファースト新人・保坂真宏さんが「新しい東京の風を吹かせたい。自民を除名になったが、すべては都民のため」と声を張り上げた。

 生まれ育ったのは上野。父の保坂三蔵・元経産副大臣は、区議、都議、参院議員を務めた自民のたたき上げ。自らも二〇一五年の区議選で自民からトップ当選したが、親子でたもとを分かった。応援に駆け付けた小池百合子知事は「次の大きな舞台で活躍して」と激励した。

 台東区は定数二。自民と旧民主が一議席ずつを指定席とする無風区だった。自民現職・和泉浩司さんの陣営は焦りを隠せない。

 「(保坂さんの出馬は)残念としか言いようがないが、自民の候補者は今もこの先も和泉しかいない」。党都連最高顧問の深谷隆司元通産相は十九日、浅草の区民会館で開かれた和泉さんの支援集会で、語気を荒らげて結束を呼び掛けた。

 二人は、昨年の都議補選で自民の公認を争った。和泉さんが選ばれたのは、ともに浅草出身で和泉さんを「まな弟子」と呼ぶ深谷さんの影響力だった、とささやかれる。保坂さんの父と深谷さんは同時期に参院と衆院で議員を務めていたので支持者が重なる。地元関係者は「(公認争いで)それなりに、しこりは残った。保坂に流れる自民票は少なくない」と言う。

 現職の中山寛進さんは民進を離党し、都民ファースト推薦の無所属で出る。父で元衆院議員の中山義活さんの代から、地元の浅草を中心に固い支持層を持つ。加えて「現職の実績」をアピールして保坂さんとの違いを打ち出し、無党派への浸透を目指している。共産新人の小柳茂さんは「古い自民や、すべて知事の判断待ちの都民ファーストには、都政の監視はできない」と訴える。 (神谷円香)

◆北多摩2(二−4) ネット発祥の地 共闘ねじれ

高椙健一66 会社役員    自現 =日

興津秀憲60 会社役員    民元 =由

岡本光樹34 弁護士     都新 =公

山内玲子61 (元)会社員    ネ現 =共民都

 都議選告示前で最後の日曜となった十八日、北多摩第二選挙区(国分寺市、国立市)では、各政党の街頭演説で候補予定者が声を上げ、選挙期間中さながらの雰囲気に包まれた。

 正午すぎ、JR国立駅北口にいた生活者ネット現職山内玲子さんの陣営関係者のもとに、南口から都民ファースト新人岡本光樹さんの陣営関係者がやってきた。政策協定を結ぶ地域政党同士で「ぜひ二議席を」と声を掛け合った。

 ネットにとって同選挙区は一九八五年に都議会の初議席を獲得した“発祥の地”。都民ファーストの推薦も受ける山内さんは八期三十二年間続くネットの議席死守に向け、小池百合子知事とのツーショット写真を掲げて「都政を改革するチャンス」と呼び掛けた。

 これに先立つ午前九時すぎ、岡本さんは西国分寺駅前で小池知事と並んで演説に立った。岡本さんは弁護士として取り組んだ受動喫煙防止強化策について「国の法案をつぶしたのが自民だ」と対自民の姿勢を鮮明にした。

 この選挙区は同日選となる国分寺市長選と絡み、複雑な構図となっている。市長選で自民、公明が現職を推薦するのに対し、民進と共産、自由、社民、ネットは「野党共闘」で新人を推薦。一方、都議選では公明が岡本さんを推薦し、野党は共闘とならない一種のねじれが生じている。

 この状況を踏まえ、民進元職の興津秀憲さんは「政治に必要なのはぶれないこと」と一貫した姿勢を強調し、他陣営を暗に批判。連合の推薦も受け、旧民主時代の議席奪還を狙う。

 自民現職の高椙健一さんは「インフラ整備や福祉の充実に尽力してきた」と実績を強調。地元在住の今井絵理子参院議員らと回り、支持固めに走る。陣営関係者は「昨日の敵は今日の友の言葉どおり。今回ばかりは票が読めない」と気を引き締めた。 (服部展和)

◆名簿の見方

 ◆選挙区((1)−(2))

名前 年齢 肩書 (3)(4) =(5)

 (1)は定数、(2)は立候補予定者数、(3)は公認党派、(4)は現職、元職、新人の区分、(5)は推薦・支持。自=自民、公=公明、共=共産、民=民進、都=都民ファーストの会、ネ=生活者ネット、維=日本維新の会、社=社民、由=自由、日=日本のこころ、諸=諸派、無=無所属。掲載順は原則として都議会の党派勢力順。 (名簿は敬称略)

 

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