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都議選2017

小池流あなたの評価は 「新しい議会に」知事意気込み

 小池流は是か非か−。小池百合子知事が就任後初めて有権者の審判を受ける都議選が二十三日スタートした。都民ファーストの会代表として選挙に臨む小池氏は「古い議会はいらない」と一刀両断。対決姿勢を見せる自民党の下村博文都連会長はこの日の第一声で豊洲市場(江東区)への移転問題を取り上げ、小池氏の方針を「全くよく分からない」と批判した。「共謀罪」法など国政への有権者のまなざしも受け止めながら、各党は九日間の舌戦を繰り広げる。

 小池氏は午前九時、黄緑色のジャケットに緑色のスカーフという選挙戦でおなじみのスタイルで東京都練馬区の自宅を出た。

 「古い議会を新しい議会に変える四年に一度のチャンス」。意気込みを語ると、見送りに出た愛犬の右足と握手し、「行ってくるわね」と言い残して車に乗り込んだ。

 渋谷区選挙区の新人候補の応援でセンター街の入り口付近に到着すると、多くの人がスマートフォンで撮影。小池氏は「これまでの議会は忖度(そんたく)の政治、隠すことを選択してきた。皆さんの一票で都議会を変えられます」と声を張り上げた。

 出勤途中に足を止めた渋谷区、会社員深井芳軌(よしき)さん(34)は「今までの知事にはないエネルギッシュさがある」と小池氏を評価。「私にも小さい子どもがいる。リーダーシップを発揮して、待機児童問題を解決してほしい」と期待を寄せた。

 病院帰りに演説を聞いた同区、主婦小野玲子さん(77)は「小池さんは、海外経験も豊富で力のある女性。利権などしがらみのない、今までの男の政治と違った政治を見せてほしい」と話した。 (木原育子、福田真悟)

◆自民「築地、全く分からない」

 自民党都連の下村会長が「第一声」の場に選んだのは、豊洲市場への移転問題で揺れた中央区の築地だった。

 「小池都知事が築地を残し、豊洲を生かすという声明をしたが、実際どうなのか全くよく分からない」

 午前十時すぎ、地元候補者の出陣式で、歩道に集まった支援者らの前でマイクを握った下村氏は、築地と豊洲の市場併存方針を打ち出した小池氏を批判し、対決姿勢をあらわにした。候補者と共に両手を掲げると、支援者から大きな拍手が湧いた。

 中央区の無職永田朗さん(62)は「小池さんはまだ何の成果も出していない。市場移転問題で出した答えも答えじゃない。お金はどこから出すのか。その場の雰囲気で出した方針で、都民の負担が重くなるだけだ」と激しく批判。その上で「自民は市場移転で一貫した考えをしている。経済政策も細かなところまで打ち出している」と続けた。

 同区の飲食業の男性(73)も「小池さんは場当たり的だ。都民ファーストも主義・主張が何もない。小池さんの意見に従うだけならば僕らにだってできる」と強い口調で話した。 (中沢誠、神野光伸)

◆「知事も自民も嫌」

 小池氏、自民党の姿勢のどちらにも違和感を持つ有権者も。国分寺市の画家大浦孝子さん(77)は「小池知事は豊洲市場問題での選挙目当ての姿勢に不快感がある。自民の候補は安倍政権に右へ倣えで同じ穴のむじな」と厳しい目を向ける。

 立川市の青木誠さん(76)は「小池さんは全体的に政策がはっきりしない。平和についてどう考えているのか知りたいが、都民ファーストの公認候補のスローガンを読んでも伝わってこない」と話す。自民はさらに不安だ。「『共謀罪』法案や特定秘密保護法案を通していて、危険を感じる。加計(かけ)学園や森友学園の問題などもあり、まるで独裁政治のようだ」と語った。

 

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